骨餓身峠死人葛 (岩波現代文庫 文芸 117 野坂昭如ルネサンス 6)
- 岩波書店 (2008年1月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006021177
感想・レビュー・書評
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蛍の墓で有名な野坂昭如の短編集。
「骨餓身峠死人葛」
「人情ふいなーれ」
「同行二人」
「マイ・ミックスチュア」
「当世ますらお団」
「ああ奇怪大綬章」
「紀元は二千六百年」
表題作「骨餓身峠死人葛」の世界はまさに生き地獄。壮絶。
人間の本能的なところにびんびんくる。
全体を通して独特の文体で、リズムがあって面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
嘘みたいだろ、この人火垂るの墓書いた人なんだぜ…ほねがみとうげほとけかずら…読めない…。中々文体に癖があって、久しぶりの読書に選ぶ本としては不適切だったかも。
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まずタイトルは『ほねがみとうげ ほとけかずら」と読みます
野坂さんの短編集。
表題作の『骨餓身峠死人葛』が後味悪いらしいと知り
初の野坂作品チャレンジ。
『骨餓身峠死人葛』は九州の炭鉱での近親相姦ものだが
死肉の上にしか咲かないという死人葛の花の描写が
残酷にも効果的。これ以外にも事故死体でしか
性的興奮できない独身女性の話『マイミクスチュア』や
結婚詐欺師団の結成から末路がユニークな『当世ますらお団』
あとは、えーと、エリート一直線の男性の切ない老後の話など
野坂さんて、おもしろいなという作品揃い。 -
野坂の毒に触れてみた。そんな劇薬だとは思えなかった。いやはや。