- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006021238
作品紹介・あらすじ
朝鮮で植民地官僚の家庭に生まれ、敗戦の年に内地に引き揚げた著者は朝鮮を舞台にした作品を何作も執筆している。創氏改名が朝鮮の人々をいかに蹂躙したかを描いた「族譜」。日本軍の民衆虐殺事件が作品の要となる「李朝残影」。いずれも朝鮮植民地支配と日本人の責任を問いかけ、朝鮮民衆の受難を描いた作品として極めて完成度が高い。昭和二〇年八月十五日を主題にした自伝的小説「性欲のある風景」も収録。
感想・レビュー・書評
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地面師のようにサラッと読める短編ではなく、戦時中の日本の朝鮮半島への横暴を描いた作品にこそ、梶山氏の真骨頂があるのだと知りました。感情移入しやすい等身大の文章で素敵。
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民族とは、国家とは、個人とは、等々読んでいてしんどいテーマなのだけれども、文章がおそろしく読みやすいので物語がすんなりと頭の中に入ってきてしまう。
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【由来】
・佐藤優 逆境 P210
【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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族譜 創氏改名について
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日韓併合時代の韓国を舞台にした小説を読むのは初めてだった。どの小説も主人公はみんな日本人だが、他国を侵略し、他民族を支配している国民のひとりとして理不尽な事柄に直面する。そのときに感じるものすごいストレスの描写がとても印象的だった。
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植民地朝鮮の状況が日本人男性と朝鮮人女性の視点からよくわかる本。
当時の状況を日本人の視点から批判的に知るには良い本だと思う。 -
植民地統治下の朝鮮で生まれた作家の、朝鮮に関する短編小説集。「族譜」「李朝残影」「性欲のある風景」という3本を収録していますが、いずれも「植民地朝鮮の日本人青年が抱えた苦悩」を描いたもの、と言ってよいでしょう。「ポストコロニアル批評」をやりたくなる作品、なんでしょうねえ。ちなみに、私はこの本を韓国旅行中に列車内で読みました。その時の感想文は<a href="http://blogs.yahoo.co.jp/ohtos/49237786.html" target="_blank">こちら</a>。(20070910)