古典を読む 万葉集 (岩波現代文庫 文芸 127 古典を読む)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021276

作品紹介・あらすじ

神話性をおびた明るさ、大らかな恋、大陸文化の影響、皇統をめぐる確執-。『万葉集』は、激動の古代史のなかで、若々しく生成する一個の生命体ともいえる。現代を代表する詩人は、その感性と直観のすべてをひらいて、この大詞華集のひろびろとした言語世界を味わい、現代にも通じる限りない魅力を本書に凝縮した。

感想・レビュー・書評

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  • 20190421
    万葉集を味わうための入門書。
    2019年からの元号である令和のエピソードも味わうことができた。
    争乱や大化改新といったクーデターが起きた時代であり、歌についてもバリエーションに富む。純粋な自然賛美や、恋愛の歌、貧困を嘆く有名な貧窮問答歌などである。これ以降も万葉集の歌には触れていきたいし、他の詩集などにも興味を持って読んでいきたい。
    #主要人物:
    ・山上憶良
    ・大伴家持
    ・大伴旅人
    ・柿本人麻呂

    ・約620〜750年の詩集。
    ・東歌等

    //MEMO//
    令和が万葉集から選出されたことから、万葉集をもっと知ってみたい。
    なによりも現代まで生き残り続ける娯楽の古典である。面白いということは確かなのだろう。
    歌を深掘りして理解することで、理屈に裏打ちされた連想力を鍛えられる。

  •  この人は国文学の常識を教科書風にきちんとおさらいして論を進めてくれるのです。言ってみれば先生なのですね。国文学の和歌や詩に関して自分の“おばか”加減に困ったときの大岡信頼みとでも言いましょうか。だから下手な口真似の僕の授業の講釈なんかより、この人を直接読むほうがいいというわけです。
     とくに「古典を読む 万葉集」のほうは、授業ではほとんど触れることがない万葉集の和歌について、初期から代表的な歌人をたどって解説しているのでとてもわかりやすい。和歌も解説付きなので解釈に困って立ち往生ということもきっとないでしょう。
    https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201907130000/

  • 作者のアツい万葉集愛を感じます。

  • 詩の解説にとてつもない愛を感じる。天智天皇、天武天皇の時代の歴史背景、そこで各々がどういう思いで詠ったのか。これは単なる紹介書のレベルじゃない。
    あと、この頃の詩は、今の唄のような言葉に意味を与えるものというよりも、あくまで抒情をイメージするための媒介なんだということが分かりました。言葉に元気を貰うのではなく、あくまで抒情を楽しむためのもの。
    現代と昔との生き方の価値観の違いを垣間見た気がしました

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著者プロフィール

昭和6年、静岡県三島市生まれ。詩人。東京芸術大学名誉教授。日本芸術院会員。昭和28年、東京大学国文学科卒業。『読売新聞』外報部記者を経て昭和45年、明治大学教授、63年東京芸大教授。平成2年、芸術選奨文部大臣賞受賞。平成7年恩賜賞・日本芸術院賞、8年、1996年度朝日賞受賞。平成 9年文化功労者。平成15年、文化勲章受章。著書に『大岡信詩集』(平16 岩波書店)、『折々のうた』(昭55〜平4 岩波書店)など多数。

「2012年 『久保田淳座談集 空ゆく雲 王朝から中世へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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