自由の牢獄 (岩波現代文庫)

制作 : Michael Ende  田村 都志夫 
  • 岩波書店 (2007年9月14日発売)
4.08
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021283

作品紹介・あらすじ

長い熟成期間を経てまとめあげられたエンデ晩年の傑作短編小説集。精神世界の深みにおもりをおろし、そこに広がる様々な現実を色とりどりの花束に編み上げた、エンデ文学の到達点を示す力作。ドイツ・ロマン派的伝統を背景に、手紙・手記・パロディ・伝記など多彩な手法を駆使して、ファンタジーの世界が繰り広げられる。

自由の牢獄 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ブクログで教えて頂いた「洞窟」本、大好きなエンデ氏の作品にもあったなんて!
    本棚で腐…熟成されている積読本を引っ張り出してきて、早速「ミスライムのカタコンベ」を読了。うーん、こういうのが
    読みたかったんだー。さすがエンデ作品。やっぱいいわ❤︎
    物語の世界観がイメージできて、本の中で様々な体験をさせて頂きました。エンデが久々に読めて、本当に嬉しいです(*˘︶˘*).。.:*♡

  • 世界はひとつじゃないと教えてくれた本。
    ファンタジー。というか、不思議に対するいくつもの解釈を提示され、自分で決めろと言われた気分。
    科学や現実で凝り固まった心が溶けていくよう。

  • 「情報考学」ブログで興味をひかれた。ミヒャエル・エンデが社会や貨幣論にも詳しい事は知っていたので哲学的な内容に期待して読んだ。
    ブログで特に触れられていたのが、表題でもある「自由の牢獄」。結果の分からない111の扉のある部屋に閉じ込められるが、一つ選ぶと他は全部消えてしまう。主人公は選ぶ事ができないが、毎日扉は一つずつ消えていく事に気づく。ブログでも、神の全能性や自由意思とは何かについて考察、読書感想会をするのに良とされる。確かに。
    分量に限界があるので触れられなかったのかも知れないが、テーマが重なる作がいくつかある。「自由の牢獄」もそうで、二つ前の「ミスライムのカタコンベ」も自由意思がテーマ(と思われる)。主人公が破壊したカタコンベは外の光の下で生きることのできない人たちを保護し、労働を与え、すべてを忘れさせるための地下都市だったというもの。
    さて、そこで迷うのだが、エンデ自身は自由意思での選択に肯定的だったのか、否定的だったのか、作でははっきり描かれていない。「自由の牢獄」では放縦な主人公が自由意思を行使できずに人生を終える(いや、死ぬという意味ではない)が、「ミスライムのカタコンベ」ではカタコンベを壊した主人公は地下都市の住人に光のもとへ追い出されてしまう。この二作で自由意思を行使した人の結末が描かれない。
    しかし、そこで答え(のような物)に導くのが巻頭と巻末の二作だろうか。両方ノスタルジーに似た切なさを胸に感じる美しい作品なのだけれど、両方とも故郷への思いを自然に感じられず、自分の故郷や目的を求めて独り世界を彷徨う話なのだ。
    神でもなく、享楽でもなく、その人だけが見つける何かはその人だけにしか理解できないのだけど、その熱が人をひきつけ、それが狂気である事が切なさを生む。
    嗚呼そうか。貨幣論もそうだったのだと思うけれど、価値とは何なのか?という問いは信仰を捨てた事の徴かも知れないな。僕と同じで。

  • この不思議で少し怖い世界に浸りたくて何度も読んだ。

  • 2018.03.31
    読解力が落ちてしまい、ゆるゆると読み進め。自分の想像の領域が広がった気がする。絶望の主人公が登場する作品は最後に何かを見つけてる。「道しるべの伝説」の老いかさま師の言葉が、自分には新鮮で重かった。

  • 素晴らしい。文学にはまだまだ可能性がある。こういう作品を生み出せる柔軟な物書きになりたい。

  • 短編集。(感想順不同)

    *『遠い旅路の目的地』『道しるべの伝説』
    虚無と情熱が見出だせる。何かを熱望できる幸せ、それが得られない苦しみ。

    *『ボロネオ・コルミの通廊』『郊外の家』『ちょっと小さいのはたしかですが』
    操られる空間。
    ううん夢がある。ドラえもんの秘密道具が思い浮かぶ。

    *『ミスライムのカタコンベ』『自由の牢獄』
    自由に伴う“恐怖”が存分に表現されている。圧迫感、焦燥感が身に迫る。「自分で考え自分で決める」ということの難しさ、苦しさが伝わる。

    *『夢世界の旅人マックス・ムトの手記』
    ラストが清涼感ある。ごちゃごちゃ考える→ええい面倒だ→俺は好きなようにするぜ、という風に受け取った。

  • メタ小説ってありますよね、
    紙面から浮き上がってリアル世界に入ってきちゃうやつ。
    これらの話は丁度逆で、紙面の裏側とか奥に
    引きずり込まれそうな感じです。

    ■遠い旅路の目的地
    故郷の見つからない男が一枚の絵の中に見つけた。
    なぜか乱歩を「押絵と旅する男」を彷彿。

    ■ボロメオ・コルミの通廊
    遠近法リアルの不思議な廊下・・・ エッシャーの世界かな。

    ■郊外の家
    「ボロメオ・コルミの通廊」の読者がこんなんもあるで、と
    書いてきた手紙、という設定。
    ややこしいなあ。微妙にナチ絡み。

    ■ちょっと小さいのはたしかですが
    その車にはガレージがついています・・・?? メビウスの輪?

    ■ミスライムのカタコンベ
    指令に従うだけの「影の民」は幸せなのか?

    ■夢世界の旅人マックス・ムトの手記
    冒頭の”老寵姫”が凄いインパクト ^^;
    「北京の秋」とカフカの「城」を足して2で割った雰囲気です。

    ■自由の牢獄
    これは完成度高いんじゃない?111枚の扉からどれを開けるか。考えているうちに・・・これもカフカ。「掟の門」だね。

    ■道しるべの伝説
    どこかへどこかへと旅を続けるうちに、道しるべは動かないから役に立つことに気付く。そうよね。
    ユルスナール「黒の過程」のゼノンに通じる。

  • 読後どっと精気を抜かれて落ちるように眠る。。

    鏡のなかの鏡や、ドグラマグラの感じに近い。
    夢か現か、境界線が混沌として…

  • 難しいなと思ってたけど、
    再読でエンデの言葉の景色に少し近づけた気がする。

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