近代美術の巨匠たち (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021306

作品紹介・あらすじ

「光」を追求したモネ、不遇の天才セザンヌ、女性美を絵筆で讃えたルノワール…。印象派以降、エコール・ド・パリ派に至るまでの近代美術史に偉大な足跡を残した巨匠十三人の評伝集。画家たちの生い立ちや人柄、人生の栄光と悲哀、名作が誕生した背景などを、豊富なエピソードとともに生き生きと描く。

感想・レビュー・書評

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  • 画家の評伝。初刊は40年以上前だから新鮮味はないかもしれないが、美術批評の権威が書いたものだから、見事な内容。

    絵の分析よりも画家の人生を主眼としているが、それでもその画家の絵の意義はきっちり押さえてある。美術初心者向け。

  • 特徴的なエピソードを取り上げながら巨匠たちの人物像をぼんやり描き出す。輪郭までみえて、まだ顔は見えてこない。少し物足りないからもっと読みたくなる。人間をもっと知りたいと思う。絵画という表現が手元まで近くなる。文章がとてもきれい。厳選された端的なことばたち。正しい記述で読みやすい。人を愛し、自分の生き方を眺める。愛着のわく良い本だと思う。

  • 今から40年ほど前に書かれた近大美術家に関するエッセイ集。

    短い中に、短い文章だからこそ、構成を練り、言葉を選んだあとが感じられる。

    どの作家の作品も愛していたし、一通りの知識は持っていたつもりだが、本書によって、どの作家の生涯までも愛おしくなってしまうから不思議だ。

    一人ひとりの美術家の生き様、死に様は色々。でも、それらを読んで、自分を振り返って、自分は自分の生き方でいいんだと思わせてもらえた。名文に乾杯。

    その上で、ひいきになるかもしれないが、あらためてデュフィの生き方には強く惹かれる。内に悲哀、でも表現は喜び、表情は微笑。とっても素敵。

    蛇足だが、ミレーやデュフィ、モネの言葉を生のまま感じたくて、フランス語を修得することに決めた。

  • 本を読んで芸術の秋気分を!この本はタイトル通り近代美術の有名どころの画家について描かれています。

    画家の生涯を大まかに、でも魅力的なエピソードと共に紹介しています。

    印象的だったのはゴーギャンの生涯について書かれた章です。有能な株式売買人で家庭にも恵まれていたゴーギャンがある日、突然画家になると宣言する。「これからは絵を描くんだ・・・毎日ね」その決断力に驚きます。安定した場所を捨ててまでの絵に対しての情熱があったのでしょうか?画家で成功できるという自信もあったんだろうと著者は書いていますが、その後の生活‐タヒチにまで渡り、そこで一人さびしく生涯を終える‐を知ると絵に対しての情熱と私はとらえてしまいます。そうしたゴーギャンの生涯を知って、ゴーギャンが描いた最後の大作「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」を見てみると絵の前に立ち止まって動けなくなってしまいます。ゴーギャンが最後に何を伝えようとしてこの絵を描いたのだろうかと考えてしまいます。

    著者が冒頭に書いているように画家への「人間的関心」に応える手始めの一冊だと思います。この絵を描いた人はどういう人なんだろうと思った時にぜひ、読んでみてくださいね。

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プロフィール

一九三二(昭和七)年、東京生まれ。五三年、東京大学教養学科卒,同大学大学院で美術史専攻.五四~五九年,パリ大学附属美術研究所で近代美術史を専攻.国立西洋美術館主任研究官、文部技官、東京大学教授、国立西洋美術館館長を経て、現在大原美術館館長。

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