詞華断章 (岩波現代文庫)

著者 : 竹西寛子
  • 岩波書店 (2010年8月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021719

作品紹介

万葉・古今から芭蕉・蕪村・晶子まで、季節のうつろいに響きあい、忘れえぬ時を呼びおこす日本の歌蔵。本書は古今の詩歌を味わい、その詞華に誘われて、さりげなく清冽な一文で生の鼓動と魂のありかを伝える。「うた」の調べに添い、ひめやかに生き続けるよろこびと安堵を味わえるひと時。時を超えて共感し、作者との共存を自覚する手がかり。選び抜かれた言葉が心の奥底の扉を開きはじめる。

詞華断章 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 日常生活の中のある風景や感情から古典の歌に繋げて論じており、普段馴染みのない古典文学を身近に感じることができた。
    作者の文章は清澄であり、静かに謙虚に自分や歌い手の感情を見つめているところが、魅力的だと思う。
    このエッセイで印象に残ったのは数々の名歌のほか、次のような文章だった。
    『歌でも句でも小説でも、作品を濁らせないのを創作の大切な条件だと思っている。』
    『人の死はかなしいが、生もまたそれに劣らずかなしい。いかなるかなしみも、容易に分かち合えるとは思わないけれど、せめて他人のかなしみを思う心を、と思う。』
    この作者の作品を読むとそのような考えがよく伝わってくるように思う。

  • 竹西寛子のエッセイ。今まで読んできたもののなかでは新しいものの部類に入るのかな。とはいえ書かれた時期は97年とかのようで。
    うた、を語るエッセイなのだけれど、(ぼくがこれまで読んだこの人の本の中で出会った著者よりも)いくらか歳を重ねた著者が、言葉少なく、その後ろにそっと感情を忍ばせておくような文章の書き方によりシフトしていっているなあ、という印象をもった。より若かった頃の、感情を隠そうとしてもにじみ出てきてしまうような文章も好きなのだけれど、これはこれで響いてくる。どちらも一見は同じような見た目なのだけど、何かが違う、それを感じてしまうのは自分の気のせいなのだろうか、と考える。

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