我的中国 (岩波現代文庫)

著者 : リービ英雄
  • 岩波書店 (2011年2月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021849

作品紹介

中国の路地裏を歩き、庶民と言葉を交わす。広大な風景の回廊に佇み、歴史に堆積された想念との出会いから至高の私小説的紀行文学が紡ぎ出される。あの中国は、中国人ではない「我」にとって何であるのか。西域から黄河の流域まで無数の方言を聞き、それらの声を日本語に翻訳するかのように著者は綴った。やがては古都開封にて、千年前に中国人になったユダヤ人が存在していた痕跡を発見する。非西洋へ越境したワールド・フィクションの書き手が綴った等身大の中国。

我的中国 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 英語を母国語とする筆者の中国旅行記。北京語で人々と語り、さまざまな時代に思いを馳せつつ、日本語でそれについて考える、そんな複雑な頭を持っているのに、彼の文章は水のようにすんなりこちらへ入ってくる。

  • 著者の「我的日本語」を読んでいたので、タイトルに惹かれて読んだ。

    アメリカに生まれ、幼少期を台湾で過ごし、青年期から日米を行き来しながら、日本に在住し、韓国も含む東アジアを旅する文芸作家の中国大陸旅行記。

    著者の生い立ちや体験を背景にした味わいのある訪中記になっている。

    英語、日本語と日常会話のレベルの北京語、多少の韓国語を話し、日本語で作家活動をしているという。

  • アメリカに生まれ、日本、台湾、アメリカを往還しながら育った作家の訪中記。
    北京五輪の直前、あの超高度成長が到来する寸前の中国の記録であることに、作家自身は大きな意味を見出しているようだ。
    北京だけではなく、関林、鄭州、広州、延安、開封といった土地を訪ねている。
    正直、私にとっては、そのうちのいくつかは、どこにあるのかさえ分からない。
    それらの土地の情景が、乾いた筆致で描かれているように感じられた。
    「美国国籍、常住日本」という、作家の立ち居地の微妙さは、理屈としては理解できるけれど、文章を読みながら、擬似的にでも体感するというところまではいかなかった。
    何かが自分の中に入ってくることを拒んでいるような気がする。
    もっとじっくり読んだら、あるいは、私の方の受け入れる素地ができたら、きちんと理解できる本なのかもしれない。

  • 以前、著者の新聞連載エッセイを読んで、文章に独特の魅力を感じていました。「白い顔」と米国籍を持ち、台湾で幼少時代を過ごし、今は日本に住み日本語で文章を書く著者が、北京語を使って一人で旅する中国大陸の描写は、彼ならではの視点が興味深いです。頭の中では英語と日本語と北京語が混ざり、耳には理解できない中国の方言が飛び込んでくる、その不思議な感覚を想像してみたり。この本は、自分も中国語を少し学んだことで、より楽しめたと思いました。

  • 読み始めは正直「素人か」と思わせるような文体。小説なのか紀行文なのかわからないし、冒険譚もあるわけでもない。おっかなびっくりの平凡な旅行者・・・・。
    でも・・・、読み進むにつれて、著者の魅力に魅かれていく。さりげなく危機的状況をさらりと語る。読後は自分もまた充分、中国を歩き回った感覚にとらわれた。

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