小津安二郎の反映画 (岩波現代文庫)

著者 : 吉田喜重
  • 岩波書店 (2011年6月17日発売)
4.20
  • (4)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • 本棚登録 :31
  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021870

作品紹介

映画を愛するがゆえに映画の「まやかし」を知り、それと「戯れる」ことで映画の本質にもっとも近づきえた小津安二郎。そのフィルムが秘める黙示録が、いま映画監督吉田喜重によって解き明かされる。この二人の監督の伝説化された、わずか二度の邂逅は、いまも生きている映画の歴史にほかならない。芸術選奨文部大臣賞、フランス映画批評家協会賞を受賞。アメリカ、フランス、イタリア、ブラジルなど海外でも翻訳出版され、高く評価されている。

小津安二郎の反映画 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 小津安二郎に関する本は多数出版されており、論文や評論や感想文やどうでもいいような駄文や便乗本などなどは、うんざりするほどある。で、この本はというと、ちと難解ではあるが小津安二郎ファンであるなら読むに値する本であると思う。
    もちろん、著者、吉田喜重自身も語るように、この本のような解釈が正解であるという保障はまったくない。私自身も疑問に思う部分が多い。しかし、小津監督と著者の有名な二度の接触シーンは、映画ファンならば誰でも謎解きの誘惑に駆られるエピソードであり、その意味でも、吉田喜重監督はこの本を書かねばならない必然性があったといえよう。

  • 単なる作品解説ではなく、小津監督によって造形された映画の光と影に力点を置いてそれらの作品に対峙した力作である。本文中では時系列に沿っていくつかの小津作品が紹介されているが、そこでは役名どころか演じた俳優の名前さえ記されない。著者の洞察力が高すぎるせいか、理解できない論点もあるが、「東京物語」を映画の黙示録だと論説した部分は見事だと思う。

  • 2-3 映画論

  • 小津映画は見るたびに発見と見ることの自由さを体験させてくれる。小津映画で繰り返される反復とずれとはなんと私たちの人生に似ていることか。誰もが体験する小津映画の平明さと不思議さ、心地よさと居心地の悪さの謎を鮮やかに解読してみせる、これまで読んだ小津監督論で最も分かりやすく納得できる一冊。そして、また小津作品を見たくなる、そんな誘惑の書であります。

  • 映画監督による映画監督評論。
    さすがに深い洞察で、小津監督が初めてカメラに向かい、ファインダーを覗いた時の心情を「深く絶望したのではないか」と分析するあたりは映画監督でないと絶対に無理だと思う。
    深くて重い分、なかなか読み進むことができなくて時間がかかったが、時系列で作品を追い、映画に込めた小津監督の真意はほぼ見きわめられていると感じる。

  • 「序」で語られる吉田喜重の小津の2つのエピソードが興味深い。

    吉田喜重による小津映画の解読。

  • 「諧謔」という言葉がどれだけ出てきただろう。つまり、それが作者が小津安二郎に対するイメージなのかも。
    映画評論でもなく、分析でもない。だからこそ新しい。映画解説でもない。意味を模索しながら、とまどいながら、意思なきところに意思を感じ、ただひたすら、愛すべき小津安二郎に近づこうとしているかのようだ。

全7件中 1 - 7件を表示

吉田喜重の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
赤坂 真理
ドストエフスキー
西 加奈子
J.L.ボルヘス
フランツ・カフカ
三島 由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印

小津安二郎の反映画 (岩波現代文庫)に関連する談話室の質問

小津安二郎の反映画 (岩波現代文庫)はこんな本です

ツイートする