無風の樹 (岩波現代文庫 文芸188)

  • 岩波書店 (2011年7月15日発売)
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 13
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784006021887

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  村人一人一人の語りから、しだいに文革という時代、置かれている生活状態、家族等の輪郭が浮き上がってくる。
     階級闘争などの対象になりえない貧困村、瘤捉(りゅうがい)という病に罹った村人たち。閉ざされた村。貧しさゆえに嫁もなし。毛沢東の言葉が、そのまま丸飲み状態で、実態とはかけ離れ勝手に一人歩きをしてしまう哀れさがある。
     最初、段落もなく口語で綴られる文書に読みづらさはあったが、著者自身も文革により遮断されていた海外の文学を吸収し、意識したうえで選んだ表現方法だったことが、あとがきにて判った。
     ましてロバにも語らせた部分は、なるほど「最低点まで抑圧されたとき、生存の境遇がほとんど動物にまで還元」という表現だったのかと。
     人災は心震える。

  • 登場人物それぞれが一人称モノローグする小説は斬新だと思うし、文革時代中国が生身の人間を通して実感できる。
    ただ、冗長さも感じる。訳者が意図したかどうかはあとがきでも述べられていないが、詩的な表現がリズミカルでいい。小説を読むというより、詩を読んでいる印象が強い。

全2件中 1 - 2件を表示

李鋭の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×