詩とことば (岩波現代文庫)

著者 : 荒川洋治
  • 岩波書店 (2012年6月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022020

作品紹介

知らないうちに私たちは、生活のなかで、詩のことばを生きている。しかし、詩とは、なにをするものなのか?その意味を考えることは、私たちと世界とのあたらしい関係をひらくことにつながっている。詩をみつめる。詩を呼吸する。詩から飛ぶ。現代詩作家が、詩の生きる時代を照らしつつ、詩という存在について分析する。

詩とことば (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 詩に関する荒川洋治のエッセイ。
    一般的な読者の視点にたって、なぜ現代において詩が読まれなくなったのか、詩が衰退したのかについて言及していた。
    詩は散文とは違って、わかりにくい。書き手その人が現れてくるし、優しく説明されていない。
    こういう詩の難しさを指摘していたけど、実はそれこそが詩の魅力なのだろうなと感じた。
    引用されている詩はよいものばかりで、こういった本を書けるっていうのはそれほど詩に接して、詩を読み、詩を考えなくてはいけないのだろうと感動した。
    もう一回落ち着いて読みたいし、引用されている詩や詩人についても本を読みたいなと感じさせられた。

  •  「詩のことばに象徴されることばがまわりから消えて、これまでなかったようなへんなことがあちこちで起きる。詩は、人間に何かを教えていたのだろう。それを失った人にはわからない、何かを。」<詩のようなことば>全体が遠ざけられているという危機感が、ひしひしと伝わってくる。詩人のエッセイなので、文章にも著者独特のリズムがある。散文を読みながら詩的表現も味わえる。
     詩と散文の違いについて腑に落ちる解説がある。「散文はつくられたものなのである。散文そのものが操作、創作によるものなのだ。それは人間の正直なありさまを打ち消すもの、おしころすものだから、人間の表現とはいえないと思う人は、散文だけではなく詩のことばにも価値を見る」「詩を思うことは、散文を思うことである。散文を思うときには、詩が思われなくてはならない。ぼくはそのように思いたい。」
     この本は<ことばのために>というシリーズの一冊として2004年に刊行されており、これはその文庫化であるが、7年以上経過したことにより、新たに書き下ろされた6編の文章も加えられている。ものをしっかり見る人がいなくなったことに触れた「眼と社会」や、若き日の与謝蕪村がすでに「自由詩」を書いていたことを発見する「君あしたに去りぬ」には、詩のことばが現在も昔も、時代を越えて息づいていることに気付かされてはっとさせられる。
     しかし、最も重要な指摘がなされているのは「詩の被災」である。東日本大震災の後で、大量の詩や歌が書かれていることへの違和が表明されている。「誰も何も言えないのをいいことに増長、拡大。人々の求める方向に流されていったのである。翼賛的な空気もあった。」日本は被災したが、詩も被災し、ことばも被災しているというのだ。ことばは時間をかけて書かれなければならないのに・・・。こんな勇気ある発言をできるのは、やはり著者が「詩とことば」を大切にしている「詩作家」であるからだろう。

  • Ⅰ詩のかたち
    Ⅱ出会い
    Ⅲ詩を生きる
    Ⅳこれからのことば

  • 詩を書きたくなった。

  • 吟味された言葉で書かれている。だから強い。
    著者ご自身が巻末で書かれているとおり、長い長い詩のようだ。
    自分が日ごろ(仕事で)書き殴っている文章が、いかに無駄ばかりのまわりくどいものなのかを思い知らされる。
    「ことば」とか「詩」というものの、原初的な力(というか野蛮な力)を感じながら、少し、昔の詩人たちの作品を読んでみたいと思った。
    それから、現代の詩を。そういう順番で読みたい。

  • 詩もことばも被災したのだ、ということに気づかされた。

  • とても読みやすかった。楽しくもあった。
    「詩」は読まれないもの・・・という正直な感想もありがたかった。
    なぜ、詩を読まなくなったのだろうという自分の気持ちを代弁してくれてるよう。
    散文はわかりやすい。対して詩、俳句、連歌、和歌は難しい。
    解釈を迫られる。数字パズルが好きな人がいるように、囲碁将棋が好きな人がいるように、詩や俳句の解釈が好きな人もいるのだろう。
    でも、それは少数派。
    それでも、この本を読んで、少しは詩に親しむことができそうな気持になった。

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