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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784006022051
感想・レビュー・書評
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戦中から戦後にかけて著者は日暮里に で暮らしており、そこで見聞きした様々を書き綴る。直感だが、これは銃後にいた大多数の人びとの感情を代弁している。
空襲による夜中の大火災が華麗に思われたのみならず、満開の夜桜とあいまって不思議な光景に見えたときの感情や、隅田川の橋下に集まる多数の死体を風景として無感情に見下ろす感覚など。
そういった感覚があるから、また、戦争に明確に反対した人物を父親と先生しか知らないから、小説で民衆が戦艦武蔵の建造と運用に必死で取り組んだ様が描けるのだ。筆者は戦争を遂行したエネルギーを国民一般の中に見ている。
筆者はまた、戦場体験を持たないことで戦争証言者と距離感や後ろめたさを感じている。それは戦中派の大きな特徴に思う。戦後言論界が戦争反対の大合唱で一色に染まる様子を冷めた目でみているのも同様。
しかし、気をつけなければならないのは、今の時代の価値観からみた冷めた目とはことなる所である。その視線は目的的ではなく、時代を経た者のみが持つ、体感に裏打ちされた極めて冷徹かつ非情な視線である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
吉村昭のエッセイ?はいくつか持っていて、繰り返し語られる内容だから、新鮮味というものはないのだけれど、この方の生きる姿勢のようなものがとても好きで、見習いたくて、読むと落ち着く。
丁寧に、まっすぐ生きたい。 -
好きな作家のひとりです。ですから、これからじっくりと作品を読んでいこうと思う。思ったとおり、作家としての姿勢がとてもすばらしい。
戦史にせよ、歴史にせよ、医学にしても、しっかり調査されたフィクションは読むに値し、決して損はしないだろう。
小説家としての矜持か語られている。
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