増補 幸田文対話(上)――父・露伴のこと (岩波現代文庫)

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  • 岩波書店
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022068

作品紹介・あらすじ

小説『流れる』や随筆『木』などの名文で知られる作家幸田文は、歯切れのよい語り口と巧みな話術による対話の名手としても知られた。幸田文と各界の著名人との対談をまとめた。上巻では、父親である文豪露伴をテーマに、父・露伴の日常生活(釣り、将棋、酒、料理)、娘への料理、掃除、薪割りに到る生活技術の伝授、生活全般にわたる躾、そして父親の娘への愛情など、「幸田家の文化」がユーモラスに語られる。

感想・レビュー・書評

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  •  対話形式で書かれたものは好きです。(たとえ仮想でも)相手が居ることで見えてくるものがあると思うのです。

     この本もまた対話形式の魅力を教えてくれる。というより、幸田文という人の魅力だと思います。随筆などの作品を読むのとはまた違う。

     まず、志賀直哉、木村義雄、江戸川乱歩といった偉人と対話していることに驚く。そうか、そういう時代なのだと改めて感嘆した。

     娘である文さんは、父、露伴の一番近くで過ごした人物。対話のなかで語られる父との思い出や人となりも注目されるのだけど、なにより注目されるのが、文学的な教えを父から受けていないにも関わらず、物の見方、感じ方、言葉の選び方といった、センスについて、父から大きな影響を受けているということ。そして対話のなかで複数の人たちがそのことを指摘しているということ。やはりそこには独特のなにかがあり、また父とは異なる気風も見せる。

     酒は心を注ぐもの、いまの人は結論を出すのが早い、いろいろなところで琴線に触れるものがあった。

  • 独特な表現、観察力、言い回しが魅力の文さんの対談集です。

  • 人として、女として、大変に共感し、
    学ぶところの多かった対談集。

  • 帯表
    父・文豪露伴と共にした日々が存分に語られる
    裏表紙
    小説『流れる』や随筆『木』などの名文で知られる作家幸田文は、歯切れのよい語り口と巧みな話術による対話の名手としても知られた。幸田文と各界の著名人との対談をまとめた。上巻では、父親である文豪露伴をテーマに、父・露伴の日常生活(釣り、将棋、酒、料理)、娘への料理、掃除、薪割りに到る生活技術の伝授、生活全般にわたる躾、そして父親の娘への愛情など、「幸田家の文化」がユーモラスに語られる。(解説=堀江敏幸)

    本書は、一九九七年三月、『幸田文 対話』として、岩波書店より刊行された。文庫化に際し、新たに十一篇の対談を追加して、『増補 幸田文 対話』(上・下)とした。

  • そもそも幸田文の文章の大ファンで、文ちゃんの話し言葉!知りたい!という好奇心で即買いしました。話し言葉も綺麗で親しみやすさがあり脱帽しました。お父さんとの話は関係の深さが、面倒だけどうらやましいですね。

  • 幸田露伴はよく読んだ。
    露伴の細かな性格が娘の文子によっておもしろく語られる。
    将棋も強かったらしい。
    釣りも隙だったらしい。
    何事についても興味があり、極めるところがあったようだ。
    露伴作品の読み方がまた違ってくるかもしれない。

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プロフィール

幸田 文(1904・9・1~1990・10・31) 小説家・随筆家。東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。1928年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚。幸田家に戻り、父の傍らにあって家を守り、父の最期を看取る。47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。その清新な文体が好評を博し、随筆家として出発。56年『黒い裾』で読売文学賞、57年『流れる』で芸術院賞等を受賞し、小説家としても文壇的地位を得た。70年頃から、奈良法輪寺三重塔の再建のために奔走した。著書は他に『おとうと』『闘』『崩れ』『木』『台所のおと』『きもの』等多数。『幸田文全集 全23巻別巻1』(岩波書店刊)がある。

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