シェイクスピアに出会う旅 (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022105

作品紹介・あらすじ

シェイクスピアの作品には様々な花、ハーブ、スパイス、香りグッズが登場する。著者は「香り」を手掛かりにシェイクスピアを読み解く仕事を進めるために、彼の生まれ故郷ストラトフォード・アポン・エイヴォン、コーンウォールの野外劇場など英国の各地を旅して、出会った人、物、風習などを紹介、シェイクスピア作品の新たな魅力を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 熊井明子さんによるシェイクスピアをめぐる随想集。「香り」や「旅」をキーワードにして綴られていく。

    シェイクスピアの作品に対する新しい読み方を教えてもらったというよりは、シェイクスピア作品に出てくる小道具にまつわる歴史やイメージに対するゆるやかな語り、蘊蓄、脱線… 読んでいて「へえー」となることが多く、シェイクスピアとはあまり関係ないところでこの本を楽しんだかもしれない。蒸留の歴史だったり、演劇における猫のイメージだったり。

    マシュー・アーノルド、夏目漱石、高橋康也と名前が出てくるところで英文学をよく読んでいた頃を思い出した。シェイクスピアはやはり英文なら必須教養かなとまた思い直す。『快読シェイクスピア』あたりも読み返して、まだ読んでない人の訳で代表作あたりチャレンジしてみようか。

  •  著者は、シェイクスピアの研究者であると同時にポプリの研究者でもあり、この本はシェイクスピアの作品と香りとの関わりをテーマにしたユニークな本です。登場人物の台詞に出てくる花やハーブの持つ意味を理解するとより深く演劇を楽しむことができると説明しています。例えば、『ハムレット』では気が狂ったオフィーリアが王にフェンネルとオダマキを手渡しますが、その意味は虚偽と浮気だというように。
     この他に、シェイクスピアの故郷を訪ねて演劇に登場する料理を味わうといった、一味違う旅行案内書も兼ねています。

    京都外国語大学付属図書館所蔵情報
    資料ID:573254 請求記号:932||Kum
    資料ID:576409 請求記号:932||Kum

  • 本屋さんではなかなか選ぼうとはしないだろうなぁ。
    でも、読んでみると熊井明子のファンになってしまう。
    シェークスピアの妻のことや、ハーブのことはもっと知りたいと思った。
    こんなお嫁さんがいたら楽しかっただろうに。
    監督熊井啓にも新たな興味がわいてきた。

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著者プロフィール

作家。長野県松本生まれ。信州大学教育学部(松本分校)修了。映画監督である熊井啓と結婚。長年ポプリの研究につとめ、ハーブにも造詣が深い。愛猫家としても知られている。1999年『シェイクスピアの香り』などの著作活動について、「シェイクスピアの魅力を新たな角度から探求した業績を評価して」第7回山本安英賞を受賞。著書に『シェイクスピアの妻』『香りの力』『めぐりあい ――映画に生きた熊井啓との46年』(いずれも春秋社)、『シェイクスピアの香り』(東京書籍)、『愛のポプリ』(講談社)、『今にいきるシェイクスピア』(千早書房)、『「赤毛のアン」の人生ノート』(岩波現代文庫)、『ポプリテラピー』(河出書房新社)ほか多数。

「2021年 『いくつになっても、ラ・ヴィアン・ローズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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