アンパンマンの遺書 (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022334

作品紹介・あらすじ

「手のひらを太陽に」の作詞者でもある戦中派の作者が、自身の風変わりなホップ・ステップ人生を語る。銀座モダンボーイの修業時代、焼け跡からの出発、長かった無名時代、そしてついに登場するアンパンマン-。手塚治虫、永六輔、いずみたく、宮城まり子ら多彩な人びととの交流を横糸に、味わい深い人生模様が織り上げられていく。

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ「ぼくは戦争は大きらい」は戦争中の事を書いていたが、この本はやなせさんの人生(戦争中の事は少なめ)を書いている。
    やなせさんの人生とは実に面白い。ご本人は漫画家で漫画家として食べていきたいのに、何故か一風変わった人が集まってきて、やれミュージカルの舞台装置を担当してくれだの、やれ映画の評論を書いてくれだの、リサイタルの構成やら詩集の出版やら、とにかく色々な話しが舞い込んできて、それを全部引き受けちゃう。なんで本職でもないのにそんな話が来るのかな~と不思議に思っていたようだが、人を呼び寄せるのもやはり人柄なんじゃないかな。
    飄々とした文章、たまに毒も吐き、でも全体的になんだか温かい。まさにアンパンマンもそんな感じ。「なんのために生まれて、なんのために生きるのか」人生も半ばが近づいた今更だけど、私もちょっと考えてみたくなった。

  • 「正義とはお腹を空かせている人がいたら一斤のパンを差し出すこと」
    という、やなせさんの正義観は、とてもストンと腑に落ちました。

  • やなせさんの人生記録。晩年になるまでヒット作に恵まれず、それでも色々な事をやられていてビックリします。詩人らしくリズムがいい文章です。

  • アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんの自伝的エッセイ。そもそもの原版は25年前に出されているが、5年前に再度文庫本としてリメイクされているものだ。
    たまたま五月病に近しい気持ちの時に手に取りたくなるようなタイトルなのかもしれない。
    やなせさんは戦争を経験している。暗号解読をしていたようだが、徴兵される前はデザイナーだったそうだ。
    そこで色々なデザインやイベントのいろはを学んで後世に生かしている。

    また、アンパンマンそのものについての記述は実はそれほど多くない。なぜならやなせさんの晩年に偶然のように生まれてきた産物だからだ。
    彼はいつも大人向けの哲学的な作品を志向しているようだが、その実、作品が受けて行くのは子供達になっていくのであるのが非常に面白い。
    大人はなかなか評価しないが、それがどんどんユーザーの中で広まっていく。まさにイノベーションの普及の具体例ではないか。

    また、同書には奥さんの話が結構な割合で占めている。
    新聞社の同僚で事故のような出会いから最後まで一緒にいるのはこれまたすごい話だ。
    本書がリメイクで出た年にやなせさんはなくなっている。まさに遺書になり得たのだが、最初の出版時から20年後なのが凄まじいな。

    `なんのために生まれて 何をして生きるのか`

    子供の頃から刷り込まれている我々の脳裏には、この問いは永遠に投げかけられ続ける事だろう。

    ■目次
    起の巻 マンパンマン以前史(故郷の空
    貧乏坊ちゃん ほか)
    承の巻 アンパンマン創成期(ツッパリ社員
    三越の包装紙 ほか)
    転の巻 アンパンマン盛期(三つの出発点
    幼児という批評家 ほか)
    結の巻 アンパンマン未来期(平成の夜明けと奇跡の出発
    アンパンマンの勲章 ほか)

  • 著者の戦争体験や様々な生きざまがアンパンマンに結びついていることを知る。なんのために生まれてなにをして生きるのか、自分はこれを70で思えるだろうか。今でさえ、日々に流されて生きている気がする。

  • やなせ先生の自伝的エッセイ。かなり感動しました。登場するスターが豪華。

  • 1995年に書かれた自伝に、亡くなられた2013年の追記を付した文庫版。70代でアンパンマンがブレイクするまで様々な仕事をされてきたやなせたかし氏が戦争の時代の話もサラリーマン時代の話も飄々と語る。仕事のことよりも奥様が病気になられてからの話が印象的。

  • 色んな人物や企業との繋がりだったりはとても興味深かった。 個人的には読み物としてあまり「おもしろい」という感じではなかったかな。

  • なんとなーーく手に取って、パラパラめくってみると 読みやすくスッと入ってくる文体。やなせさんにもアンパンマンにも 特別に思い入れがあるわけじゃないのだけど、大変興味深く読むことができました。

    わたしが子どもの頃(平成初頭)にはもう アンパンマンは こどもの正義のヒーローとして確率されていたような記憶だけど、まだまだ軌道に乗ってきたところだったなんて!そんな事実や、やなせさんの生涯のおしごとや、おしごとにまつわるたくさんの方々とのエピソード、そしてご自身と奥様の病気のことなど、どのエピソードも読んでいてとても胸が熱くなりました。
    とても とても、よい本。

  • やなせ氏の人生を起承転結の4部構成にして書かれた本。
    こっちの本は幼年期や戦争体験は少なめで
    仕事を始めてからのエピソードが中心。
    本当に多くの関係者が登場して、やり取りの内容や台詞まで記されてる
    のもあって、なぜこれほど詳細に記憶できてるのか?が非常に気になる。
    山梨シルクセンターでの初出版と、手塚治虫と千夜一夜物語に
    関わっていた時のエピソードが特に印象に残った。
    ボールを跳ね返し続けると道は開ける。

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著者プロフィール

やなせたかし
1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2019年 『アンパンマンと もぐりん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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