読む力・聴く力 (岩波現代文庫)

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本棚登録 : 103
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022709

作品紹介・あらすじ

人間の精神活動の基本である「読むこと」「聴くこと」は、高度情報化社会のいま、どれだけ人間の生き方や社会のあり方に関わる深い体験になっているのか。心理・ノンフィクション・詩の分野で日本を代表する三人が、それぞれの創作や臨床の現場での「読むこと」「聴くこと」についての体験を語りあい、現代におけるその意味を問い直す。講演・シンポジウム・アンソロジーをもとに構成した、刺激的な「読むこと」「聴くこと」論。

感想・レビュー・書評

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  • ビッグスリーの鼎談というところでしょうか。
    立花隆の圧倒的な読書量に対して、河合と谷川がどのように攻勢するかが見もの。

  • とんとんとんと読み終わる割に充実している。読むこと聴くことについてよりよくありたいなと改めて。

  • 読みこと、聴くことをいかに能動的な行為にできるかについて。

  • 自分の期待した内容ではなかったが、谷川さんのパートの詩は本当に素敵で、普段詩を読まない私にはすごく新鮮で心に残った。

  • 特に印象に残る部分は無かった。
    会談にあった通り、大事なことは頭の深い部分に残ってると信じたい。

  • 2016年34冊目。

    3人の巨匠が語る「読む・聞く」論。
    河合さん、立花さんそれぞれの講演録、谷川さんアンソロジーの後に、3人の対談が続く。
    谷川さんの「本の城壁」という話に「無数の本のもう検索しようもないどこか一頁に、それについての記述が隠されている」という言葉があり、ぞっとした。
    「もう検索しようもないどこか一頁」、本好きにとってこんなに怖い言葉はなかなかない。
    立花さんが膨大なインプットを少ない効率的で少ないアウトプットに帰る比率(IO比)を100対1と言っていたのが面白い。
    それに対して谷川さんが「僕のインプットはゼロとも言えるし、無限とも言える」と言っているのがさらに面白い。
    世界観の異なる人同士の対談はやはりいい。
    河合さんはいいゆるさと思い切りのいい戦略を持っていてキャラが立つ。
    読みやすいし、ちょこちょこ読み返したい1冊。

  • 河合隼雄と谷川俊太郎かー。
    読みたい!と思って、さささっと読んだはずなのに、レビューを残していなかったので今更に。

    「読む」「聴く」という、人の意識的な受容について、なかなか興味がある。
    「見る」ではなく「聞く」でもない。
    そこには、何かを受け取ろうとする人の姿勢のようなものが感じられる。でも、私は一体何を「読み」、何を「聴け」ばいいんだろう?
    時々、その当たり前が当たり前でなくなるときがある。

    『人類に共通な巨大な頭脳みたいなイメージがインターネットにあり、その頭脳を共有できる時代だということはよくわかるんですが、そのとき、頭脳を入れている体はどこに行ったのという疑問がどうしても拭い去れないんです。……もう一つ、そのインターネットの世界は本当に意味というものに貫かれている。人間にとってイノセンスというもの、無意味というのも結構大事だと思うのですが、そういうものがインターネットにはどうも欠けているのではないかというところが一種不安としてありますね。』

    『文字ができるということは便利な代わりに心の働きを限定するところがあるのです。たとえば山という字ができると、山がわかったように思ってしまう。……一つひとつの山を見て感じることができなくなってきます。ケルトはそちらのほうを発展させたのではないか。だから文字がないのではないかという考え方は面白いと思いました。』

    私の持つ目や耳が確かにこころと繋がっているという、感じ。その感じを忘れてはならないのだと思う。
    谷川俊太郎さんの詩が素敵。

  • 空模様で明日の天気を「読む」ように、鼻や気が「利く」というのも、全身で対象に対して耳をすませるーー「聴く」ことであるように、網膜がとらえたもの、鼓膜がとらえたものは脳で総合的に処理される。
    そうして、それらは、「理解」に結びつく。

    そこにみえる、ある、そのものの向こう側にかすかにかがような何か。
    言葉というころもをまとう前の何か。

    立花氏が表層に、谷川氏が中層に、河合氏が深層にいるような印象だが、詩もこころも魂に近く、それらは洪水のような知識を浴び思考することで豊かになる。

  • 2015年11月新着

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著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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