花のようなひと (岩波現代文庫 文芸290)

  • 岩波書店 (2017年8月21日発売)
3.43
  • (4)
  • (8)
  • (13)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 165
感想 : 12
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784006022907

みんなの感想まとめ

小さな物語が魅力的に描かれたこの作品は、文字と絵が一体となり、読者に新しい体験を提供します。装画が印象的で、まるで画集のような美しさがあり、プレゼントにもぴったりです。ストーリー自体は親しみやすいもの...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 詩集+イラスト集のような文庫。飾りたい本。
    イラストの色味が磁気の色絵のようでとても良い。穏やかで優しい文章で女性の機微をとらえた短編集。共感は少ない。

  • 小さな物語に装画、ふたつでひとつ。文字と絵で楽しめる。素敵な本だ。

  • 誰かにちょっと
    プレゼントしたくなる
    画集のような1冊

    妙興寺ブックオフにて購入

  • p.2022/2/16

  • 『花のようなひと』は、花に関連した700字ほどのショートストーリーが28編、紡がれている。花のある日常がある。花をきっかけにして、記憶がよみがえったり、ある人を思い出す。また、その花が何か新たなものを呼んでくる期待なようなもの。花の記憶は、生活のなかの晴れやかさを演じる。
    ショートムービーのような物語。
    喧嘩ばかりしている姉は、妹が就職して実家を出たときに、スイトピーを飾ってくれた。その意味がわからず、花屋さんにスイトピーの花のことを聞いた。スイトピーの花は蝶が飛んで行くような姿をしている。花言葉が「門出」だった。そのことを聞いて、妹は涙するのだった。そのわずかな花のシーンが印象的だ。
    トルコキキョウを見ていると学生の頃の合唱部を思い出す。なぜならトルコ桔梗が歌を歌っているように見えたから。
    会社の先輩の袖にトゲみたいなものがついていた。なんですかと聞いたら、バラのトゲだった。今日朝、新入社員を迎えるバラの花が花瓶にいけて合ったことを思い出して、先輩に親しみを感じた。
    20年前のこと、この花には秘密がある、イルカが隠れているのよと聞いた。それがいまになって、薄紫の花がデルフィニウムで、ドルフィンの文字が隠されていることを知った。ささやかな花の謎を知ったのだ。
    結婚まで約束した彼と別れて半月、花屋に寄って、好きな花スカビオサを買った。一人ぽっちの家のテーブルにスカビオサを飾った。その花を見ながら自分が失恋の痛手から立ち直っていることがわかった。
    気まずい喧嘩別れした。私が質問したのに、上の空だったから怒ってしまった。翌日に彼からのEメール。上の空の原因はショーウインドウにかざられていた小さな花のブーケに見とれていた。あなたにあうスズランの花をあげたいと思ったからだと謝りのメールだった。
    桜とチューリップの名前しか知らない息子、ブラジルの花?と聞くので、アルストロメリアだと答える。どう言うわけか、昨日質問したのに、また同じ質問をする。夫に似ているとおもう。
    花という存在が、心の中にあるものを引き出してくれることが、嬉しい。
    『幼ななじみ』は、小学生の同級生が、火事で焼け死んだ。タバコによるものとされているが、タバコを吸う人ではなかった。そして、過去にあった日々を思い出して行く。なぜか、二人の秘密が思い出されるのだった。
    牛尾篤の銅板版画が、牧歌的な優しさを感じる。

  • 今まで手に取らなかった類だなあ。
    最近こういう軽いものを、少し本を買う時に入れてしまう。
    これは、挿絵がとても素敵。

  • 佐藤正午の花のようなひとを読みました。

    花をテーマにして日常の中で見かけるすてきな女性たちを描写したショートショート集でした。
    牛尾篤の挿絵も綺麗でした。

    佐藤正午の長編小説というと、物語の初めに描かれた物語をベースに読んでいくと、それとは全く違う様相の結末が描かれたものが多く、物語にひねりが効いているという印象があります。

    このショートショート集でも同じで短い物語であってもひねりが効いていて面白く読みました。

  • 〝花のようなひと〟は、日常の何気ないひとコマを切り取って描いた掌編集です。28の小さなお話に、牛尾篤氏のエッチングが添えられています。
    併せて収録されている、想い出の断片を綴った〝幼なじみ〟にも、牛尾氏の水彩による挿絵が挟み込まれています。
    すべてを語らない、美しい余白に思いを馳せることのできる、とてもイイ感じの本です。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 文庫が出たので読みましたが、これは四六で読みたいですね

  • +++
    日々の暮らしの中で揺れ動く一瞬。その心象風景を花々に託して、あざやかに描き出す。花のような女性たちに贈る優しさの花束。『PHPカラット』連載に未発表の作品を加えて単行本化。
    +++

    詩画集のような趣である。花言葉や花の名前など、ときどきの花に、一瞬の心の動きをゆだねているのが、とても効果的で、短い物語が、添えられる絵によってさらに鮮やかに情景を思い浮かべさせる。やさしくてあたたかい一冊である。

  • とにかく1作が3ページ程度の短編だけど、短い文章から様々なことが感じられるのは佐藤正午さんのスゴさだ!
    牛尾篤さんの挿絵と相まって絵本なのかと錯覚しそうに。装丁の素晴らしい1冊!

全11件中 1 - 11件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』で「すばる文学賞」を受賞し、デビュー。2015年『鳩の撃退法』で「山田風太郎賞」を受賞、17年『月の満ち欠け』で第157回「直木賞」を受賞した。2025年『熟柿』は「中央公論文芸賞」を受賞した。ほかの著作に『身の上話』『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

佐藤正午の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×