英語のセンスを磨く――英文快読への誘い (岩波現代文庫)

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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022921

感想・レビュー・書評

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  • 柴田元幸氏の「翻訳教室」を読んであまりに楽しかったので、好評価だったこちらも読んでみました。
    著者の真摯なお人柄が感じられる本でした。
    文庫化のあとがきに、「英語と日本語はあらゆる面で異なる言語なので、会話力を身に付けるのは『労多くして功少なし』だが、読む力なら、欧米人に負けないレベルまで到達可能」「本書の一番の目的は正確に読むことで、訳し方を説いているのではない」と書かれていて、非常に共感しました。(もちろん会話力を軽視しているわけではなく、学ぶ労力の違いの話です)

    柴田氏の本の時と同様、自分で例文を訳して、そのあと答え合わせをしていきましたが、正直、各例文にあまり興味をひかれなかったので、自分のモチベーションは柴田氏の本の時よりやや低めでした。解説の内容も、柴田氏の方は「応用編」で、こっちは「基本編」という感じで、ややお勉強色が強めです。それは、あとがきにあるように「訳し方を説いているからではない」という理由もあるような気がしますが。
    でも、その基本(文法など)はやっぱり重要なので、とても参考になりました。

    おもしろいなと思ったのが、柴田氏は、「なるべく英語の語順どおりに」と説いていたのに対し、行方氏は「英語と日本語は隔たりが大きいので、語順については忘れる方がいいと思う」と、両者の好みが分かれていた点です。これは、人によるんでしょうが、私は断然柴田派で、英文を読んだ時に感じる印象をなるべく再現したいと思うから。語順による印象の差ってすごく大きい気がします。これはあくまでも好みの問題ですが、改めて考えさせられました。

    最後の方にヘンリー・ジェイムズが例文として取り上げられていて、「おや?」と思ったので確認すると、案の定、今年読んだ『ある婦人の肖像』を翻訳したのがこの方でした。
    例文の説明として、「ジェイムズは難解」とおっしゃっていて、でも私の読んだ『ある婦人の肖像』は、全くと言っていいほど難解だという印象がなかったので、これは初期の作品だからという以外にも、きっと、この方の訳によるところが大きかったのかなぁ、と思いました。
    例文の訳を見ても、分かりやすさの違いが明らかな感じで、翻訳された文章を読むことの利点と欠点について非常に考えさせられます。

  • [図書館]
    読了:2018/4/18

    久しぶりにじっくり精読型の本を読んだ。読み応えがあった。

    p. 19 セミコロンの意味。英語では、日本語の場合以上に、多少とも相手が意外と思うような発言をしたら、納得できるような理由をすぐ述べる習慣があります。セミコロンやコロンは、「これから理由を述べますよ」と言う合図です。

    p. 43 A lady who will sir bravely while a wasp hangs in the air and inspects first her right and then left temple will run a mile from a harmless spider.
    →ここでのwillは「現在の習慣的な行為」を述べている。文法書で見たことあったかな…?

    p. 50 目的語の倒置構文に気づかないことが多い…。ただ名詞が置いてあるだけだと思ってしまう。
    The allurements of the world she had brushed aside with distain and loathing.

    p. 81 「一般にso...thatに否定語が絡むと間違いやすいのです」

    Few are so deep that you do not know the essential facts about them after a few rubbers of bridge.
    ブリッジの3回勝負を数回やってなおその人の本性がつかめないというほどに奥行きの深い人などまず存在しない。

    p. 153 「知っているつもりの単語でもコンテクストに合致しなさそうなら辞書を引いて考えよ」
    your には「いわゆる、例の(軽蔑や非難などを含む)」の意味もある。
    He is appealing to some kid of standard of behavior which he expects the other man to know about. And the other man very seldom replies, “To hell with your standard.”
    →ありがちとされている通りの間違い=「お前の基準なんか知るか」だと思った…。

    p. 187 And there is more than one bus conductor in London who has cause to remember this sturdy Quixotic passenger’s championship of a poor woman to whom insufficient courtesy seemed to him to have been shown.
    →championshipの「擁護」という意味を知らなかった。

    p. 245 難解な英語の文章の難しさ渡したよ。筆者の論理の展開が複雑すぎてついていけなかったり、普通の辞典にない難解な言葉を用いてあったり、代名詞の指すものが曖昧だったり、と原因はさまざま。
    →どれも噛みごたえのある文章でした。

  • 英検1級でも読み間違える、文例。
    なんとか読めるのだが、正確な理解には程遠かった。
    ただ各文の位置付けが一般には分かっていることが多いだろうから、今回のようには苦労はしないだろうけど。

  • 内容はいいのであるが、文庫版の形式のために英語の原文と説明が横で見てわかるという形式ではなくなっている。

  • 【新着図書ピックアップ!】この本は英語のAdvanced Readersの為に書かれたものですが、そうでない人にもお勧めです。英訳とは、コンテキストによる解釈に始まり、新聞、雑誌、評論、戯曲、小説を読む具体例を交え解説しています。筆者も言っている通り最後まで読むのは相当の忍耐を要しますが、完読した暁には一皮むけた英文の読み手となること請け合いです。
    [New Book!] This book was written for English Advanced Readers, but it is also recommended for those who do not. English translation is an interpretation based on the context and explains a concrete example to read newspapers, magazines, critiques, play, novels. As I also say, reading it to the end requires considerable patience, but I guarantee that as a reader I will become a reader of a full-fledged English sentence.

  • 難し過ぎて無理だった。もっと英語のレベルを上げてから読みたい。

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