ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006030063

作品紹介・あらすじ

20世紀アメリカの独創的物理学者が、奇想天外な話題に満ちた自らの体験をユーモアたっぷりに語る。持ち前の探求心と、大のいたずら好きは少年時代から変わらぬまま。大学時代や戦時下の研究所生活でも、周囲はいつもファインマンさんにしてやられる。愉快なエピソードのなかに、科学への真摯な情熱を伝える好読物。

感想・レビュー・書評

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  • 下巻は「ファインマン先生の大冒険」とでも題したくなるような内容。
    好奇心の火の玉となって、ブラジルサンバの演奏に参加したり、絵を描いてみたり、神秘体験に凝ってみたりと大忙し。

    来日したおりにはわざわざ日本旅館に泊まり、和式の生活を体験。うっかり入っていった風呂に湯川秀樹がいたエピソードには噴いた。

    教授になり、ノーベル賞を受賞して大人しくなるかと思いきやいっこうに変わらないところが良い。
    いたずら好きでいつもふざけているが、もったいぶったことが大嫌いで、いったんみずから引き受けた仕事には誰よりも誠実。たとえそれがくだらない教科書の選定であっても。

    本書はカリフォルニア工科大学の卒業式式辞で締めくくられる。これから社会に出て科学に携わっていく学生たちに向けたメッセージは、あっさりとしたものでありながら彼が科学者として生きる上での態度表明になっていて深く胸をうつ。

  • 科学が楽しいって初心を思い出させてくれる。「実験結果をちょろまかそう」とか悪い心が起こった時に、この本を思い出すことにする……。
    ここまで単純な時代は終わって、他の専門分野を理解出来る時代ではなくなってしまったけど、ファインマンを思い出して出来るだけ自分の理解出来る例えに単純に置き換えて理解する努力くらいしてみようとは思える……。ほんとに科学が楽しかった初心だけを詰め込んだような本。
    科学の話あんまり出てこないけど。ドラム叩いたり暗号解読したり金庫破ったりしてる。

    ファインマンの多才さに驚かされる。こんなふうに生きられたら良いなあ。

  • いつ読んでも面白く、考えるところがある本の下巻。
    これほど好奇心旺盛で真っ正直に生きていた科学者がいたことを忘れてはいけない。今はそんな時代じゃないのだから。

  • 4 コーネルからキャルテクへ ブラジルの香りをこめて(続)
    ・ラッキー・ナンバー
     そろばんの達人と計算の勝負をする話。近似法恐るべし!
    ・オー、アメリカヌ、オウトラ、ヴェズ
     ブラジルでの物理講義をポルトガル語で行う。
    ・言葉の神様
     中国語には中国語もどきで。
    ・親分、かしこまりました!
     ラスベガスでギャンブルの詐欺師に声をかけられる。儲ける仕組みを逆手にとって困らせてやる。
    ・断わらざるを得ない招聘
     そんな法外な給料を貰ったら自分がダメになってしまう。
     
    5 ある物理学者の世界
    ・ 「ディラック方程式を解いていただきたいのですが」
     日本語のお勉強。相手を知り丁寧語を使う。
    ・誤差は七パーセント
     実験結果の誤差9%に7%の訂正あり。16%か2%かどっち向きの訂正だ?
    ・一三回目のサイン
     講演料を貰う手続きがめんどくさい。サインの回数を制限することを講演の条件に。
    ・唐人の寝言
     ノースカロライナに州立大が2つある?行かねばならないのはどっちかを探る。
    ・それでも芸術か?
     自分の描いた絵を売ることに。高い値を付けるだけで価値が上がる。
    ・電気は火ですか?
     科学を知りたいのではなく、宗教を都合よく解釈するための質問だった。
    ・本の表紙で中味を読む
     大量の教科書を評価する。表紙だけで中身が空白の教科書に良い点をつけている委員がいるとは。
    ・ノーベルのもう一つの間違い
     ノーベル賞を貰ったら、面倒なことに正装して素人相手にいろいろスピーチしなくてはならない。
    ・物理学者の教養講座
     なんと物理学者の自分が、マヤ文明の話を物理学者に聞かせることに。
    ・パリではがれた化けの皮
     調子に乗ってドラマーとしてコンテストに出たものの、、、
    ・変えられた精神状態
     自我の場所を脳の中から胸や腰、さらには体の外に移動してみることにチャレンジ。
    ・カーゴ・カルト・サイエンス
     自分を欺かない。素人相手でも決して嘘を言わない。科学にはこの姿勢が大切。

  • 固定観念に常に疑問を呈する姿勢が痛快だし、サンバを打ち鳴らす天才物理学者の画を思い浮かべるだけで最高。全体通して大部分は愉快なエッセイだが、時々思ってもいない角度からえぐられるような深い話になる。私が印象に残ったのはシカゴかカルフォルニアか選択で悩むところ。権威・安定・欲望で満たされる生き方ではなく、知的好奇心を持ち続ける事が自分らしい生き方だと選んだ所にグッときた。真の自由とは何なのか?考えさせられる。

  • 「教育」とは科学的なものなのか?
    「教育」によって我々は何を教えられ、また伝えているのだろうか?
    自然科学=理科教育を通じて、我々は「科学的良心」を身につけることが期待されている。
    しかし、それは「科学的良心」とはいかなることか、という説明を受けることではない。
    我々はリチャード・P・ファインマンという、一人の風変わりな物理学者の奇想天外な生き方を通し、「科学的良心」の何たるかを、言葉で定義することなしに体得することになるだろう。
    そして本書の最後に収められているカリフォルニア工科大学卒業式における彼の式辞を聞いた時、我々がそれまで知らずに聞き、身につけてきたものの正体が「科学的良心」であったことに気付かされるのだ。
    この時はじめて、我々は「科学的良心」なるものを真の意味で定義したことになるのである。
    一人でも多くの方々が本書を通して真の「科学教育」を受けることを切望する。

  • 物理を苦手としている私の頭では、学問的な事柄は理解出来ないが、ファインマン氏が非常に自由な思考の持ち主であることはわかる。学問に真摯であれ、圧力に屈せず自由であれ、という呼び掛けも分かる。
    しかし、最後までファインマン氏が作った原子爆弾を投下された広島やら長崎への思いは一切語られてない。被害範囲を考えていても、そこで人命が失われた事には触れてない。戦後来日して日本のホテルのサービスやら日本の文化に感動したと書いているが…。
    学者とはそういうものなのだろう。
    私には縁遠い頭脳と才能の持ち主である。そして、やはり、どこか偏っていると、私は思う。

  • ようやく読了。
    この人は自由な人だなぁ……。
    絵を描いて個展をやってみたり、ボンゴをたたいてみたり。
    ノーベル賞を断りたいと記者に相談してみたり。
    好奇心を持つこと、やりたいと思ったことは何でも試してみること。
    だんだんできなくなっていくことだけれど、素直に何でもやってみるのは大事なことだなぁ、と思いました。

  • 純粋な好奇心でいっぱいのファインマン先生。

    この好奇心(=すなわち自分)に嘘をついたり、隠したり、絶対にしないこと。
    それはまるで5歳の子どものようだけど、
    それを大人になってからも、ましてや大学教授といういわゆるインテリ層になってからも、
    貫きつづけるというのはすごいことだと思う。

    年をとっても、自分がどんな立場になっても、
    好奇心を押し殺してしまわないこと、
    その好奇心に素直に従って行動できる体を大切にしよう。

  • 最後は神秘主義や似非科学の話に。関連して、カーゴ・カルト・プログラミング http://www.radiumsoftware.com/0604.html#060418

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