生きるこだま (岩波現代文庫 社会 21)

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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006030216

作品紹介・あらすじ

農村婦人問題研究家の丸岡秀子、法学者の末川博、社会主義運動家の荒畑寒村、戦争に若き命を断たれた実兄・婚約者、被爆した友人。逝ったあともなお鮮烈な印象をとどめる人々との親交を結んだ日々を追慕しつつ、各人の厳しく一途な生の軌跡をたどり描きあげたレクイエム。未来の平和を願い、人間が真に生きる意味を問う。

感想・レビュー・書評

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  •  岡部伊都子さんがなくなって、十年たった。こういう女性がおられたということを、若い人たちに伝えていきたい。随筆家とよばれているけれど、ただの人だと、文章を書くことがお好きだったに過ぎない人だと。
     一生嘘をつかずに生きることは誰にもできないかもしれない。文章を書くこと自体がウソの始まりというふうに考えることだってできる。でも、この人は嘘はつかなかった、そんな人だと。
     解説を書いている鶴見和子さんも、今ではもういないが、岡部さんが1970年代に亡くなった、忘れられない「こんな人」たちに捧げたレクイエムを集めたのが、この本。
     「こんな人」がいたことを伝え続ける、鎖の一つの輪として、この本が読まれる、そんな時代がくればいいと思う。

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