- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006030247
感想・レビュー・書評
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この本を読んで改めて思うのは、読書はアメーバのようなもので、自分に必要な知識なり愉しみなりをその触手で摂取して増殖していくものではないかということです。しかし、昔読んだ本のことは、かなり一生懸命取り組んだ本を除き、よほどでない限り忘れてしまっている人も多いのではないでしょうか。つまり「自分アメーバ」の触手自体が衰退したり、何か別の方向の触手に置き換えられたりしていくものなのであって、けっして積み木のように積み上げられるものではないのではないかということです。
もともと読書をするための時間(とくに好適な時間)は限られています。(今のところ考える読書は午前中、愉しむ読書は午後から夜間が多いと思います。)また、いくら読んでもその分量には限界があります。(ダイジェストは人のフィルターを通しているため、本当の読書とは言えません。)
読書は、自分を発見するためのもの。人は読書を通じて自分を見出す。だから、読書はひとぞれぞれであり、「何を読むべきか」は人によって異なり、「全部読んでやろう」では、本来の読書の意味から外れてしまうことになります。
だからこそ、触手に引っかかった本に愚直に取り組んだり愉しんだりするしかないのが読書ではないでしょうか。蓄積ではなく愉しみとして。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初版は1962年(光文社)なのに内容は全然古くなかった。
僕はかなり“読書本”を読んだが、それらの著者はこの本を参考にしていると思った。
オーソドックかつ良質な読書本だった。
以下は読もうと思った本のリスト。
『論語』、『君主論』(マキァヴェッリ著)、『古事記』、『源氏物語』、プラトン、ソクラテス、『資本論』(マルクス著)、森鷗外、夏目漱石、『歎異鈔』、『善の研究』(西田幾多郎著)、『ホメロス』、『イリアッド』、『人間嫌い』(モリエール著)、マクルーハンなど。 -
基本的な「読書法」をカバーしているので、読んでみたかった一冊。「古典は遅く読む」「入門書はていねいに読む」「洋書と邦訳を同時進行で読む」「専門用語、概念は意味を抑えれば読みやすい」など、多くの読書で役立つ技術に間違いなし。現在、多読が叫ばれるなか「遅く読むことが、速読につながる」と説いてるとこに自信をもらえた。あるジャンルの本を読み続ける場合。読むのが遅くとも、じっくり学んだ知識を足掛かりに、足りない知識だけ補う読み方ができれば速読・多読に発展する。遅読→速読という見方はユニーク。
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1962年に光文社より出版された本。本の読み方の本。所々、背景が分からず理解できないたとえ有り。
この本を元に書かれたのであろう本を読んだことがある。 -
経験豊かな筆者が、本を読む楽しさ(本に対する考え方)と読書における様々な方法とおしえてくれる。
本を読むことは、「社会から離れ作者と自分との関係のみに生きること」など読書に対して新たな意味を考えさせてくれます。読書法では、速読の章がおススメです。 -
戦後日本を代表する知識人加藤周一の本であるが、読めない本は読まなければいいなど、簡単なことばかり書いてあって意外だった。知の巨人は難解なことばかりいうものではないのだと実感。
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テクニック、効用だけでなく、読書にたいする考え方を展開。速読、熟読を併用する。古典は、現代の本の源泉。
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読み物としてもおもしろい