空からの民俗学 (岩波現代文庫 社会 33)

著者 :
  • 岩波書店
3.68
  • (7)
  • (11)
  • (15)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 121
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006030339

作品紹介・あらすじ

空から見下ろす地上の風景は無限の夢をさそう-旅の巨人・宮本常一はいつもカメラを携行し、残されたネガは八万枚に及んだという。開発の進む日本列島を俯瞰し、物干しにかかった洗濯物に日本人の生活の変化を鋭く読みとるとき、なにげない一枚の写真が見事な時代の証言となる。本書は、その独特の写真解読術のすべてを集成した未収録エッセイ集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • GSP(GROUNDSCAPE PAPAER)のクチコミ書籍から。

    宮本常一という旅の巨人の著書は初。

    暮らしや営みへの鋭いまなざしと解釈力、平素でとても理解しやすい文章。

    風景の背景にある人々の暮らしや自然の営み
    それこそが風景だという自身の考え方にとてもフィットする。

    飛行機の窓から大地を見下ろしたくなる一冊。

  • カバーコピー
     空から見下ろす地上の風景は無限の夢をさそう -----------
    旅の巨人・宮本常一はいつもカメラを携帯し、 残されたネガは八万枚に及んだという。 開発の進む日本列島を俯瞰し、 物干しにかかった洗濯物に日本人の生活の変化を鋭く読みとるとき、 なにげない一枚の写真が見事な時代の証言となる。
     本書は、 その独特の写真解読術のすべてを集成した未収録エッセイ集。

    感想
     宮本常一さんにGoogle Eathを使わせてあげたかった。

     

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB00115837

  • 3,4ページほどの短編が集まっている本だったので、空き時間や寝る前に一つ読もう、と気軽に読めた。一枚の写真からその土地の生活がわかる奥深さと、日本の地域の多様さを知ることができた。ただ、かなり昔に書かれたものが多かったので、この本に載っていた、のどかで素朴だが個性が強く生き生きとしたそれぞれの地域は今はどうなっているのか非常に気になる。かつてあった地域の個性や独自性のようなものはきっと薄れているのだろう。とても寂しいことです。
    P52の「京の町並」やP110「川のある風景」は、とてもおもしろかったというか、感動したというか、趣深さを感じた。他にも宮本常一の本を読んでみたいと思う。

  • これこそが民俗学の神髄だと思う。

  • 2001年刊行。主として、低空から撮影した1枚の航空写真から、その地域的特性を読み解く書。写真撮影時期は昭和40年代後半、雑誌掲載が昭和50年代前半。一つ一つの記事は5頁内外なので、分厚い論述とは言いがたいが、あちらこちらの地域を広範囲に網羅しているのがいかにも旅の巨人たる著者らしい。しかも、現場体験を加味した叙述は、高い臨場感。特に「福井平野の条里制」「根釧原野」「イカを追うて」がなかなか。

  • 晩年の作ですが、エッセーとしてすばらしいですね。翼の王国掲載。

  • いや、親しみやすくかつ明晰。名著であった。

  •  ANAの機内誌「翼の王国」は、あんな昔からあったんですね。
     地元、大阪の話は面白かったです。

  • 本文はもちろんだが、解説がとても良い。
    かつて師であった宮本常一に対する敬愛の情がすごく文章にでていて目頭が熱くなってしまった。名文だと思う。

    本の内容は、宮本常一の市井の暮らしを愛しむ視線が常に感じられて
    やさしい気持ちになれる本です。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1907年(明治40)~1981年(昭和56)。山口県周防大島に生まれる。柳田國男の「旅と伝説」を手にしたことがきっかけとなり、柳田國男、澁澤敬三という生涯の師に出会い、民俗学者への道を歩み始める。1939年(昭和14)、澁澤の主宰するアチック・ミューゼアムの所員となり、五七歳で武蔵野美術大学に奉職するまで、在野の民俗学者として日本の津々浦々を歩き、離島や地方の農山漁村の生活を記録に残すと共に村々の生活向上に尽力した。1953年(昭和28)、全国離島振興協議会結成とともに無給事務局長に就任して以降、1981年1月に73歳で没するまで、全国の離島振興運動の指導者として運動の先頭に立ちつづけた。また、1966年(昭和41)に日本観光文化研究所を設立、後進の育成にも努めた。「忘れられた日本人」(岩波文庫)、「宮本常一著作集」(未來社)、「宮本常一離島論集」(みずのわ出版)他、多数の著作を遺した。宮本の遺品、著作・蔵書、写真類は遺族から山口県東和町(現周防大島町)に寄贈され、宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)が所蔵している。

「2022年 『ふるさとを憶う 宮本常一ふるさと選書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮本常一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×