- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006030445
感想・レビュー・書評
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名も知れない、歴史に残されなかったいわゆる庶民の女性の生き様、生活を綴った内容。今と比べると、出てくる女性達は皆貧しかったのだろうけれど、でも逞しさというか芯の強さ、そしておおらかさがあって、かつ著者に対しては女性へのあたたかい眼差し、尊敬の念を文章に感じられるので(解説文はちょっと上から目線なのに対して)嫌味がない。多分、お母さんがほんと立派だったんだろうなぁ。
この本の中の言葉ではないが、「民衆の世界が世間に知られるのは不幸によってである」この一文には胸に迫るものがある。日本残酷物語、ちょっと読んでみたい。
飛島の女はちょっと切なく哀しくなった。阿蘇の女は、阿蘇を旅した情景とセットに読める楽しさがあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
農村の女たちの生活を明るくする法
時間にとらわれていないこと
歌を持つこと -
宮本常一、2冊目。良く調べてるなぁ。
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宮本の書いたもののうち、女性に関する文章を集めた本。娘宿のことなど、赤松啓介の夜這の話には出てこないような女性の性や出産に関する話も多数。
「戦後の女性」(p190)に、戦後の婦人参政の話題があり、このことについて世間では当時、
「女に選挙権を与えても、投票のときは亭主の投票する人と同じ人を選ぶことになるのだから、意味のないことで、夫婦が別々に人を選ぶようになれば家族の争いのもとになる」
と言われていたそうな。21世紀に生きる私は驚愕したのだけれど、同時に夫婦別姓に関する議論を連想した。たったの65年でこんなに人の認識というのは変わるものなのだなぁ。