食と日本人の知恵 (岩波現代文庫 社会 52)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006030520

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  • 学生時代

  • ありとあらゆる日本の食べ物の、礼賛。ツバが溜まるように書いてある。

  • [ 内容 ]
    梅干、湯葉、納豆、蕎麦、鰹節…。
    日本人が創造した食べ物は。香り、色。かたち、食べる音までがおいしい。
    しかもすべて理にかなっている。
    読むうちに日本人の知恵に得心がいき。楽しい蘊蓄に食欲も増す極上の1冊。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • "よく、「中国人は四本足なら、机以外のものは何でも食べてしまう」という譬話がある。実際、広東料理では蛇や猿、穿山甲、犬なども名物料理にしているほどである。その広東料理の材料を克明に数えた人の記録では、約八百余種あったという。ところが、同じ方法で今度は日本人の食材を調べてみたところ、百五十種の貝類、二百種に及ぶ魚、十五種の哺乳動物、八十種の鳥類、二十五種の昆虫、百種を超える海草類、多種の野菜や果物、穀類、豆類など実に千二百余種に及ぶ材料があったという。もしかしたら、わが日本人は、世界一何でも食べる民族なのかもしれない。"

  • この本の著者、小泉武夫氏は発酵学者ということを浅学なもので知らずにいた。道理で詳しいわけだ。
    最近は書店に行くと麹や発酵に関する本がよく並んでいるが、この本を読むと、まずはいかに日本の食事と発酵が関連しているのかということがよくわかる。納豆は勿論、鰹節やなれずしなど、発酵の技術を使った料理が日本では豊富、そして栄養学的にもよく考えられているということも。
    また、ねりものや煮物といった調理方法や、だしやうまみについても、我々の祖先が深く考え、試行錯誤を繰り返しながら洗練させていったということも詳細に記述されている。個人的には、天ぷらの概念が東西で違っていたということが興味深かった。
    そして、何よりも日本の食材の多さをこの本を読んで改めて知った。よくこんなもの食べるなぁ、というものが他国にもあるが、やはり日本にも多い。ナマコやホヤを生で食べる国は確かになかなかないだろうし、最初食べた人はやっぱり凄いわなぁ…。
    先に読んだ本と同様、2-3ページのエッセイが延々と綴られているのでなかなか頭には入らないが、何気なく食べているものについて考えるきっかけにはなると思う。
    余談であるが著者の名前を検索してきたときに出てきた会の名前と活動が興味深い。
    食に命を懸ける会
    http://www.shoku-inochi.jp/index.html

著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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