正義論/自由論―寛容の時代へ (岩波現代文庫)

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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006030599

作品紹介・あらすじ

ロールズ『正義論』をわかりやすく紹介し、ロックやJ.S.ミルの政治哲学とからめながら、国家、民族、文化が錯綜する現代社会の自由と寛容を考察する。不平等問題、宗教、同性愛、任娠中絶などの具体例を挙げて個よりも共同体を優先する共同体主義と対決し、さまざまな個人の自由の成立を論じる「多様性の倫理学」の試み。

感想・レビュー・書評

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  • 功利主義の確立者たるジェレミー・ベンタムの研究で著名な法哲学者によるリベラリズムの擁護論。まず断っておくと、本書に再録された2冊が1990年代後半に公刊されたという事情のためだろうか、全体的にやや稚拙で時代錯誤な道具立てで論議が組み上げられている。たとえば、「おそらく、ロールズは、世界という次元でも、「原初状態」と「無理のヴェール」が有効であると思っている」(100頁)という箇所があるが、これは明白に誤りである。

    訴えたい主張は非常に明瞭で、要するに性や宗教の多元化という社会状況にもかかわらず個々人が協働するにはリベラリズムに依拠する他ないというものである。そのために引かれるのが20世紀を代表する政治哲学者のジョン・ロールズであり、そして19世紀に活躍した道徳哲学者のジョン・スチュアート・ミルである。中世日本の和歌を始めとする様々な具体例が盛り込まれているおかげで正義論に疎い者でも通読は可能だろうが、残念ながらどこかで見聞きしたような見解ばかりが列挙されていて面白くない。

  • ロールズの「正義論」を中心にロックやミルに触れながらリベラリズムの寛容論を論じた本。著者は基本的に共同体主義を個人を抑圧する方向へ向かうものと見なしている。(共同体主義もまたリベラリズムと同様、寛容を目指すものであると思うが。)

  • ロールズ 無知のベール

    逆差別

    原初状態

    格差原理 公平な機会均等

  • 浅羽通明氏推薦

  • 大学の推薦論文のときに非常に役に立った本。というかこの本なしでは私は合格しなかった。著者の土屋恵一郎明治大教授にはかなり感謝している。
    ロールズの「正義論」とジョン・S・ミルの「自由論」を、現代の様々な事例や社会問題に当てはめて解説した一冊。
    「個々の自由」や「権利」について、意外な切り口から論じている。同時多発テロ事件以降の現在の社会において、この本が発刊されたことが非常に意味深いと感じる。

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