ボクは算数しか出来なかった (岩波現代文庫 社会60)

  • 岩波書店 (2002年5月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (180ページ) / ISBN・EAN: 9784006030605

みんなの感想まとめ

幼少期の「算数しかできなかった」という印象とは裏腹に、著者は日本のトップ大学を卒業し、アメリカの名門大学で教鞭を取るまでの道のりを描いています。自伝的な内容は、数学や物理学の世界に魅了される瞬間や、著...

感想・レビュー・書評

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  • 2002年(底本1987年)刊。

     日本初のフィールズ賞受賞者による自叙伝。日経新聞連載「私の履歴書」をまとめたものである。

     読後感は、天才は天才しか判らず、の意を強くするというものである。
     なるほど表題には「算数しかできなかった」とあり、いかにも他の科目ができていないようなそれだが、一論文が米国研究者の目に留まって米国大学へ招請されたり、湯川秀樹や朝永振一郎らとの親交、数学が得意というだけで旧制第一高校理科乙類を一位で合格しているなど、凡俗には想像がつかない人物だったことは想像に難くない。

     もっとも、高校レベルの数学の証明問題に関する暗記の推奨(勿論、暗記というのは、その証明の過程や意味の理解を伴ってというもの)や小学校(特に低学年に妥当か)教育への提言は大いに首肯できる。

  •  ノーベル賞には「数学賞」がない。そこでジョン・チャールズ・フィールズは「フィールズ賞」を創設した。つまり「フィールズ賞」とは数学の世界ではそれだけの権威がある章なのだ。そのフィールズ賞を受賞した日本人は3人いる。そして、最初に受賞した方こそ本書の著者でもある小平邦彦さんである。
     恥ずかしい話ながら、僕は小平邦彦というその人のことを全く存じ上げなかった。聞いたこともなかった。知っている人からすれば「何を今更」となるだろうが、この小平氏、実はとんでもなく偉大な方なのだ。東大名誉教授でホプキンス大学教授でスタンフォード大学教授で……とかって、凄すぎて逆に意味がわからない、そんなお方。

     本書『ボクは算数しか出来なかった』は小平さんの自伝だ。タイトルからわかるようになんとも謙遜がすぎる。本書を読んでわかったのは、小平さんは「算数も出来た」という事実である。ちぇっ。

     こんなトンデモナイ人が隠れているなんて、日本人ってスゴイ。まだまだ僕の知らない日本人はたくさんいるんだろうな。


    【目次】
    はじめに
    数への興味
    父・権一
    祖父・金井汲治
    五中時代
    代数学
    (以下略。見出しは32項目あります)
    解説 上野健爾

  • 日本人で初めてフィールズ賞を受賞した小平邦彦の本。
    タイトルから、勉強が苦手だった小平が学問の道に入っていく経緯が描かれているのかと思ったが、そうではなかった。学ぶところの少ない本。
    中学生時代から、数学の名著を買ってきて自ら勉強するような小平は、大学でも数学を専攻し、卒業後はもう一度、物理学科に入りなおす。小平自身はモラトリアムで物理学科に入りなおしたと書いているが、このあたりの勉強に対する貪欲さはすごい。
    また、本書の後半で「学生の学力が落ちている」と嘆いている。今も大学生の学力低下が問題になっているが、全く同じことを50年前の小平も言っている。
    学生の学力は50年前から落ち続けているのだろうか。それとも、いつの時代も年配者には学生がバカに見えるのだろうか。

  • 書名に惑わされる人もいるかもしれない。「算数しかできなかった」のは幼い頃で、しかも主観的印象。もしほんとうにその通りなら、東大の数学科と物理学科を卒業し、アメリカの超一流大学(プリンストン、ジョンズ・ホプキンス、スタンフォード)の教員になれるわけがない。同じく、岩波現代文庫の姉妹編『怠け数学者の記』の書名も、人を惑わせる。数学者は、長時間にわたってじっと問題を考えるため、「怠けて」いるように見えるだけ。勤勉以外のなにものでもない。
    本書は日本経済新聞連載の自伝。読んでいて胸躍るのは、やはり数学や物理学のキラ星たちのいるプリンストン高等研究所に入り込んでゆくあたり。一緒に渡米した朝永振一郎についてのエピソードもおもしろい。
    学生時代からピアノを始め、音楽が趣味。音楽の話題が30ページほどを占める。ただ、アメリカでの年俸の高さや日本での給料の安さ、年金や退職金の話には少々辟易。
    本文に挟まれた写真40葉が花を添えている。

  • 突き抜ける っていうのは スゴイ。

  • 算数だけでなく、音楽もできたじゃん。努力していないように見えたけど、頑張ったじゃん。運命をひきつけるものがあったじゃん。

  • 今回も解説は必読。何が人間を育てるか、また、評価するか、考えさせられた。

  • 座右の一冊にほぼ近い。有名な魚の話もあった。人格が伝わってくる自伝。必読。

  • 「生活環境と学問はあまり相関関係はないようである。」本当に素晴らしい本。何度も読み返したい。

  • ドッグイヤーをたくさんした。小平先生には説得力がある。

  • 自叙伝。読み物なので数学の話は無い。なぜ読むリストに入っていたのだろうか。酔っ払った時に読んだブログのリンク先で推薦されていたのだろうか。飄々とした文体はエッセイとして読みやすい。

  • 面白い!数学(というか算数 ができない人間には難しいかなぁと思ったけど、さにあらず、真顔でその気なく面白い冗談をいう人という感じを受ける。観察力や洞察力に富んだ視線で、ほとんどの人が素通りするか敬遠する数学の世界で遊んだという筆者の言が印象的。

  • 本当、小平先生は何でもできる方です。タイトルに騙されました。

  • 算数"しか"と言っているけど、その"しか"がすごい。
    なんだか淡々と書かれているところが面白かった。

    最後に、教育に関する提言が書かれてるけど、全ての教科の基礎である国語・数学・英語を充分身につけた上で一般の教科をやったほうがいいという話になるほどと思った。

  • いろいろ勉強になる部分があった。
    日本人フィールズ賞受賞者3人の中で、小平先生の教科書は定評のあるものが多い。後年日本の教育改革に懸念を持たれていたのは非常に参考になった。今度は小平スクールについて調べてみたい

  • 文章が簡潔で明快だからすごく読みやすい。

  • 算数しかできなかったて算数出来すぎじゃないの あとがきの人が書いてるけど、できなかったってのは他の教科は明晰には理解できなかったって話なのね

    文章はあんまりだけど内容がいいからどんどん読める やっぱフィールズ賞ともなると違いますな

    今の学生は勉強できなすぎだとさ、小平先生ごめんなさい

  • 日本の誇る偉大な数学者の小平先生の私の履歴書をまとめた本。
    韓国人に、日本人で誰か科学者知ってるかって聞いたら間違いなく小平先生の名前が挙がるという逸話があるくらいの人です。
    小平先生自身が数学と物理しかできなかったという話もある通り、現代の画一的な教育に問題を感じているようで、その辺も主張も踏まえて読むとなかなかおもしろいです。

  • 数学者・小平邦彦の自伝で、元は「私の履歴書」。
    なので、堅苦しくなくて、とても読みやすいです。
    当時の学者や教育について、少しながらも知ることができます。

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