考える一族: カシオ四兄弟・先端技術の航跡 (岩波現代文庫 社会 69)
- 岩波書店 (2002年10月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006030698
作品紹介・あらすじ
創造性とは何か、考えるとは何か、困難に立ち向かうとはどのような構えをいうのか-一九五〇年代に無名の町工場で独自に考案された計算機は、後にトランジスターと結合してカシオの電卓を生み、日本の半導体産業を世界的地位に押し上げた。樫尾四兄弟の試行錯誤を克明にたどるノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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「世界に先駆けて...」っていう夢から始まった。大事なことは既存知識だけではどんなに組み合わせてみても、絶対に飛行機は生まれなかったように、知識欲があると却って創造力をなくすという考え方の徹底。
IC、LSIを魔法の杖として使ってきたエレクトロニクスは進歩する。次にエレクトロニクスはいいものだ、この二つをひたすら信じた。
第一に現代技術・製品開発戦略の常識に反して、市場調査など行って消費者のニーズをとるといった手法は一切取らない。第二に新製品、新技術を送り出すときにはより良いものをより安くの精神。第三に以上の戦略を展開するに際しては、必ずハイスピード・マネジメントを持って当たること。
この考え方で「カシオ」を作ったんだってことにびっくりした。多くの会社が消費者動向を気にしマーケティングに血道を上げている中、こんな職人気質的な思想、哲学が存在しているだけでなく、大きく成功している。
マーケティングを勉強している最中で、正直どっちの考えが正しいのか心が動く。多分どちらもある条件のもとでは正しいのだろう。大切なのはどんな夢、考えも哲学までに昇華させ、物事に当たっていくことなのだろう。 -
四兄弟バランス取れてるなー。
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計算機で有名なCASIOは樫尾四兄弟によって設立された。
小型電卓は世界に誇る日本の商品だと思う。
東京電機大学の教育理念も立派だ。