サンバガエルの謎―獲得形質は遺伝するか (岩波現代文庫)

  • 岩波書店
3.80
  • (2)
  • (0)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 30
感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006030711

作品紹介・あらすじ

一九二〇年代、オーストリアの生物学者パウル・カンメラーはサンショウウオやサンバガエルを使用した実験で獲得形質が遺伝すると主張した。すぐさまダーウィン学派は彼の実験を偽造だと攻撃した。『真昼の暗黒』『偶然の本質』などで有名な作家ケストラーが、遺伝学論争に敗れたカンメラーの悲劇とアカデミズムの独善性を糾弾した白眉のドキュメント。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小保方さんとSTAP細胞関連の記事などで、本書に言及しているものが少ない気がする。どうしてだろうか。久しぶりにぱらぱらと読んでみたら、以下のようなカンメラー本人の発言もあって、少し驚く。

    「残念ながら、私の実験を繰り返すのは困難な業であります。実験は十余年もの長きにわたっております。結果が確認されるには、少なくとも、これと同じ長い年月を待たねばならないのでありましょう。」22頁

    カンメラーの悲劇的な自死(1926年)から30年以上経った1959年になっても、反カンメラー派のH・グラハム・キャノン(マンチェスター大学教授)は、カンメラーをおとしめるため、強い悪意と学術的詐術に満ちた文章を書き続けていたというのも驚く。

    驚きついでに書くと、今回読んで、あのアルマ・マーラー・ヴェルフェルがカンメラーの助手だったというのも知ってびっくり。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

ブダペスト出身のジャーナリスト、哲学者。フランコ政権批判の書『スペインの遺書』(新泉社)、スターリンの粛正裁判をテーマにした小説『真昼の暗黒』(岩波文庫)で世界的な注目を浴びる。
1968年、オーストリアのアルプバッハで、心理学者のJ・ピアジェ、V・フランクル、経済学者のF・ハイエク、生物学者のC・H・ウォディントンをはじめとする各界の先鋒を集めたシンポジウム『還元主義を超えて』を開催し、その成果を刊行(工作舎 1983)。新しい人間学への視点を示し、次世代に多大な影響をおよぼした。
『夢遊病者たち』の第四章邦訳『ヨハネス・ケプラー』、『機械の中の幽霊』、『偶然の本質』(以上、ちくま学芸文庫)など邦訳書多数。1983年3月、シンシア夫人とともに自殺。本書邦訳初版刊行の直後だった。

「2021年 『ホロン革命 部分と全体のダイナミクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アーサー・ケストラーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ウンベルト エー...
トーマス・クーン
ウンベルト エー...
ウィトゲンシュタ...
アーサー・ケスト...
アーサー ケスト...
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×