- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006030728
作品紹介・あらすじ
戦死やあわれ…遠い国でひょんと死ぬるや…。詩「骨のうたう」で、戦後を生きる多くの人の心をとらえた竹内浩三。二十三歳で戦死した彼は、映画監督を志し、友らとにぎやかにマンガや詩をかき、失恋に滝つ瀬のごとく涙を流す、弱虫で淋しがりやの青年だった。子供の心のままにユーモラスに青春を綴っていた彼は、軍隊でも手紙・日記を書き続けることで辛うじて呼吸した。新発見の遺稿「詩をやめはしない」等を含むアンソロジー。
感想・レビュー・書評
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今まで戦争について歴史であの時代のことを勉強してきたけど、20代の方の言葉でもそこはどこか遠くの手に届かない世界だった。
この方の言葉は遠い世界ではなくてもっと身近な世界で言葉が生きたまま届いてくる。 -
「秋風ガキタ。
オマエ、カラダ大事ニシテクレ。
虫ガ、フルヨウダ。」
戦争を描いた小説がある。映画がある。絵がある。
世の中にいっぱいある。
俯いても、涙を流しても、届かない解らない。
私達はそこで生きたことがないのだから。
だけど、この人の言葉は
私達に生きたまま届いてくる。
彼にとって、書くことは、生きることなのだろう。 -
当然のことなのかもしれないが、60年前の若者も今の若者と何ら変わりない。お金が無いけど、欲しいものは沢山あるし、お金があれば気の合う仲間と飲み歩く。戦争なんていう非日常の世界に急に参加させられれば、表面上は勇ましいことが言えても内心はそんなものじゃない。私は、これを読んで彼にとても親近感を覚えた。そんなものである。
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読み出したら、あれ・・・?この竹内浩三の「ぼくもいくさに征くのだけれど」を読んだことがあったのだ。彼の残した詩や短文、日記。気の毒な人を何万人と生産しながら戦争は進んでゆく、というようなくだりがあった。まっすぐさが何とも切ない。そしてこの火曜日に防衛庁は防衛省になる。ああ。7 Jan 2007
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私は、知りたい、知るべきだと思いこれを読み、そして読んで良かったと思いました。
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映画監督になることを夢見ながら太平洋戦争に徴兵され、南方に散った25歳の青年が、軍演習場で書き続けた日記。殺伐とした時代に、彼が描く人や景色はひどく美しい。生きていることの素直な喜びに満ち溢れている。
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「星について ピカピカしてれや、それでいいのだから。うらやましい」