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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784006030896
みんなの感想まとめ
この作品は、1983年に発生した北朝鮮による抑留事件を描いており、当時の船員たちの苦悩と日本政府の無力さを浮き彫りにしています。密航を試みた北朝鮮軍人を巡る物語は、単なる事件の記録を超えて、国家間の緊...
感想・レビュー・書評
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1983年11月、北朝鮮から日本に帰国する冷凍貨物船第十八富士山丸に一人の北朝鮮軍人が忍び込み、密航を試みる。
彼を北朝鮮に帰すよう日本政府に要請され、船員らは仕方なく北朝鮮に運ぶ貨物を手配し、再渡航を行うが、連れて帰るはずだった密航者は直前になって日本に残ることになる。
北朝鮮に到着した船員らは北朝鮮に拘束され、船長と機関長は7年にわたって北朝鮮に「人質」のような形で拘留されることになる――。
著者はテレビマンで北朝鮮への複数回にわたる取材に加え、このとき拘留された2人やその後日本で過ごした密航者、政府関係者らに対するインタビューや当時の報道などを通してこの事件を描き出している。
密室に閉じ込められ、帰国をエサに「自白」を強要されるシーンは、読んでいるだけでも怒りを禁じ得ない。そして拉致問題が発覚するはるか以前から「北朝鮮はこんなことをしていたのだな・・・」との思いに駆られる。
同時に、日本政府の動きも余りに鈍い。
法務省と外務省が責任を押し付けあって誰も責任を取ろうとしない様子や、国内の馴れ合い的な政治になれた政治家が北朝鮮とまともに外交が行えておらず、自国民の安全すら守れていない様子が良く分かる。こちらも「昔からそうだったのか」と落胆せざるを得ない。
この事件はかなり昔の事件ではあるが、この本を読む限り、ある意味では北朝鮮も日本も「あまり変わっていない」という印象である。そうした意味で、かつての事件を見直すことは、拉致問題の解決や今後行うことになるであろう日朝関係のさまざまな問題の解決を試みる作業に有意義であると思われる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1983年11月に第十八富士山丸の二人の乗務員が北朝鮮に拿捕監禁され7年もの間、監禁された。
獄中記の類が好きで、その延長線上で監禁、抑留ものが好きになった。
獄中記と見れば物足りなさはある。克明な抑留の様は期待出来ない。それは仕方がないことなのだろう。抑留の間は記録するものがなかった。紙やペンなどはなかっただろうから記憶に頼るしかない。それに日本への帰国後は、北朝鮮について批判的な事を話してはいけないと釘を刺されている。ぼんやりとしか話せないだろう。
ふと思ったが、北朝鮮という国そのものが一つの大きな監獄ではないかと思う。自由のない監視された社会はまるで刑務所なようだ。 -
北朝鮮との問題は複雑だが、この人のように、巻き込まれ事故としか思えないような境遇で北朝鮮に抑留されてしまうとは。
人生とは難しい。
北朝鮮への交渉に金丸、田辺、土井らが当たっていたのは有名だが、この事件を記憶している日本人は少ないだろう。風化させてはいけない。
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