癒されて生きる: 女性生命科学者の心の旅路 (岩波現代文庫 社会 90)
- 岩波書店 (2004年3月16日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006030902
作品紹介・あらすじ
激しい痛み、入院の繰り返し、そしてついに失職。そんな悲しみの淵で遭遇した神秘体験。三〇年もの年月を原因不明の病気とともに生きてきた著者は、それらの日々をいかに受け止めてきたのか。医師や看護婦との出会い、音楽や絵画の楽しみ、科学と宗教をめぐる思索を語り、苦しみの生の中の生きがいについて静かに語りかける。
感想・レビュー・書評
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原因不明の病に長年苦しめられ、研究者として生きることを断念せざるをえなかった著者のエッセイです。『生きがいについて』の神谷美恵子、宗教家のエックハルトやボンヘッファー、詩人のカーリル・ジブラーンらの言葉を織り交ぜながら、人生と生命に対する著者の思いが語られています。
著者は、絶望の中にあって、絶望を包み込む大きなものに触れたように感じたことが、人生への対し方の転機になったと述べています。著者はこのときの体験を「神秘体験」と呼んでいるのですが、それは特殊な体験だというよりは、自分の人生をより広い見地から眺めることができるようになったことを意味しているのではないかと思えました。生命科学者である著者をそのような見地に引き出したのは、自分の命を越えて連綿と続いている生命に対する著者の畏敬の念だったのかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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