キネマと砲聲―日中映画前史 (岩波現代文庫)

著者 : 佐藤忠男
  • 岩波書店 (2004年4月16日発売)
4.25
  • (2)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • 本棚登録 :13
  • レビュー :2
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006030919

作品紹介

日中戦争の時代、上海と満州での日本の映画工作をめぐる物語。川喜多長政、岩崎昶、亀井文夫、甘粕正彦…日中の映画人、軍人と転向左翼、抗日運動家たちが、それぞれの夢と打算を賭けて展開するドラマは人間の条件が問われる極限状況のもとで、自らの信念に生きることの意味を問い、真の国際理解とは何かを考えさせる。

キネマと砲聲―日中映画前史 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 1930年代、40年代を中心に日本映画人が中国映画界とどのように関わっていったか。時代状況の中だできる限り誠実に映画に関わって行こうとすると何が可能だったのか。また、中国映画人にとっても同様の葛藤があったこと、などなど多くのことを教えられる。この著作以後、多くの研究者によってさらに多くの史実が記録されているが、この佐藤忠男氏の一冊は最も巨視的に全体像を示している著作である。単なる娯楽映画と見える作品にもその成立過程にはどのような時代状況が関わっているのか、映画に関心を持つ人にお勧めできる本である。

  •  東和商事・東和映画のリーダーだった川喜多長政の事績と、中国に対する(不幸な)愛を軸にして、1930年代~40年代にかけての日中の映画人たちのありようと思いを、映画作品を通して読み解いていく。映画というメディアの特質をフルに活用した《抵抗》のメッセージをていねいに見定めていく佐藤氏の筆致には多くのことを教えられた。また、敗戦直後、満映の日本人スタッフたちが八路軍に「義」を感じて中国に残り、中国におけるアニメーション映画の種を蒔いていたこと、日本占領下の上海にいた中国の映画人たちの一部が香港に逃れ、現在の香港映画の礎を築いたことなど、興味深いエピソードが盛りだくさんで、一気に読み終えてしまった。
     日中戦争期の文学・文化を考える上では、映画の問題を落とすことはできない、という感を改めてつよく意識させられた1冊。

全2件中 1 - 2件を表示

キネマと砲聲―日中映画前史 (岩波現代文庫)のその他の作品

佐藤忠男の作品

キネマと砲聲―日中映画前史 (岩波現代文庫)はこんな本です

キネマと砲聲―日中映画前史 (岩波現代文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする