パレスチナとは何か (岩波現代文庫 社会 117)

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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031176

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  • ここでは『戦争とプロパガンダ』でなされた攻撃性、怒りの口調は抑えられている。タイトルが示す通り、確固たる基盤を略奪され喪失したパレスチナのアイデンティティ、ナラティブを取り戻し、定着させることへの意思が貫かれる。然はあれ裕福な家庭に生まれ殆どを他国にて恵まれた暮らしを享受してきた他者としてのパレスチナ人サイードの自らへの問いかけと応答のようにも読めた。ジャン・モアが撮影した写真を切っ掛けに、幼い頃の記憶を呼び覚まし、被写体の眼差しを追い、空間の配置に意味を求める筆致は散文詩のごとく自由で美しく悲しみに充ちている。


    1986年刊行。サイード亡き現在もパレスチナの現状は変わらない。サイードの憤りと悲しみを継承すべく、読み続けられるべき書物。


    最近読んで大きな衝撃を受けたガッサーン・カナファーニーの小説が何度も言及されていたのが印象的。

  • [ 内容 ]
    サイード自らの政治的流氓体験を踏まえ、パレスチナ人の生活と労働、そのアイデンティティーを徹底的に凝視しつつパレスチナ問題の根源を問い直した衝撃の書。
    執筆後の情勢の変化を超えて、状況の基底へと読者を誘い、アラファト亡き後の現在も多くの示唆を与える。
    原著は86年刊行。
    精彩に富む写真も多数収録。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 同じパレスチナ人と行っても新しい世代と1948年の瀬田氏との相違は驚くほど大きい。
    パレスチナ人の人口調査は存在しない。パレスチナは小さな場所である。しかも様々な民族の傷跡や権利の主張がそこに充満している。
    パレスチナ人にとって、由dさ野人の国家は何ら道徳的な正統性を有するものではない。

  • ずっと一冊はよみたいなと思っていたサイードの本。ちと思っていたより偏りが強いと感じた。民族性が起こった出来事の原因であると思いたいという偏りがあまり心地よくなかった。

  • オリエンタリズム以外知らなかったのでチャレンジ。

    パレスチナ人のアイデンティティーとか存在の不確かさ
    っていうものの機微に少し触れられたような
    触れられなかったような

    写真がわかりやすかったです。すごく。

  • ¥250

  • サイードという名前に反応。未読。積ん読。いつか読む!

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著者プロフィール

エドワード・ワディ・サイード
(إدوارد سعيد, Edward Wadie Said)
1935年11月1日 - 2003年9月25日
エルサレム生まれのパレスティナ人で、アメリカの文芸批評家。エルサレム、カイロで幼少時を過ごし、15歳の時にアメリカに渡る。プリンストン大学を卒業後ハーバード大学に学び、コロンビア大学の英文学・比較文学教授を務めた。サイードはまた、パレスティナ民族会議のメンバーとしてアメリカにおけるスポークスマンを務め、パレスティナやイスラム問題についての提言や著作活動など重要な役割を担った。『オリエンタリズム』(平凡社)、『知識人とは何か』(平凡社)、『世界・テキスト・批評家』(法政大学出版局)、『文化と帝国主義』(全2巻、みすず書房)などの主著が邦訳されている。

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