咬ませ犬 (岩波現代文庫―社会)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031237

感想・レビュー・書評

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  • スポーツノンフィクションの短編集。咬ませ犬として試合をし続けてきたボクサーや、選手としては無名な中日ドラゴンズの二軍監督など。派手さは全然ないが、じんわりと心に染みいるものがある。良書。

  • 様々な分野で脇役として存在感を放つ人達を取材対象としたノンフィクションのオムニバス。
    ボクシングで将来を期待される有望なボクサーがのし上がっていく際に”負け役”を暗に期待されるボクサーのことを”咬ませ犬”と言い、そのような役割を全うしたボクサーを取材した『咬ませ犬』。
    プロ野球のブルペンで投手の球を受け続け、1軍での公式試合に出場することなくその後コーチ、2軍監督としてキャリアを積み上げていく職人肌のキャッチャーを追う『壁と呼ばれた男』。
    競馬界で最も脚光を浴びる騎手でもなく、調教師でもなく、裏方として最も馬に寄り添う役目であるベテラン厩務員がG1制覇に賭ける日々を追った『ライアンの蹄音』。
    他にも大学ラグビーの監督を扱った「楕円球への夢」、自らの登山スタイルを追う登山家を追った「ザイルの彼方」。
    どのストーリーも各界でスターとして活躍する人々の周囲に、私たちの知らないこんなに濃厚な物語や世界があったのかと、どんどんのめりこんでしまいます。登場する人達は大半の読者にとって名前も聞いたことがない存在ですが、それでも十分にそれぞれの世界に浸ることができます。

  • 無名のスポーツ選手の短編ルポ集。顔も知らない、実績もないような選手を個人として取り上げ、ストーリーとしてぐいぐい読ませてしまう取材力と筆力は敬服に値する。

  • 105 目白ブコフ

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著者プロフィール

後藤 正治(ゴトウ マサハル)
1946年、京都市に生まれる。1972年、京都大学農学部を卒業。
ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物評伝などの分野で執筆を重ねる。
『空白の軌跡』(講談社文庫)で第四回潮ノンフィクション賞、『遠いリング』(岩波現代文庫)で第十二回講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』(文春文庫)で第二十六回大宅壮一ノンフィクション賞、『清冽』(中央公論新社)で第十四回桑原武夫学芸賞、を受賞。
2016年、書き手として出発して以降、2010年までに刊行された主要作品のほとんどが収録されている「後藤正治ノンフィクション集(全10巻)」の刊行が完結。
他の著者に、『関西の新実力者たち』(ブレーンセンター.1990)、『刻まれたシーン』(ブレーンセンター.1995)、『秋の季節に』(ブレーンセンター.2003)、『節義のために』(ブレーンセンター.2012)、『探訪 名ノンフィクション』(中央公論新社.2013)、『天人 深代惇郎と新聞の時代』(講談社.2014)などがある。

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