- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006031367
感想・レビュー・書評
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これを今読まなくてどうする!国民を欺き続けた政府。平然とウソをつく外務省。この国に民主主義はあるのか?この問題をライフワークとしている澤地さんの御健闘を祈りつつ。
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朝日新聞(2013/11/10)ノニュースの本棚にて紹介。
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ドラマ「運命の人」で興味を持ち読んでみた。権力が時に手段を選ばないことを感じる。一方で最高裁判決にあったように、表現の自由や知る権利の名の下で、取材で何をしても良い訳ではない。現代でいえば、g不正アクセスで官庁のサーバーから極秘文書を盗み取って、新聞で発表したらどうなるか、とか色々なことを考えさせられた。
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事実の記録だけど、小説のように、小説よりはるかに面白く読ませる・・・師の技を見事に引き継いでいる一作と思う。
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さすがです、澤地久枝さま!
向田邦子氏の親友です!(関係ないけれど)
「妻たちの二・二六事件」以後、本格的にノンフィクション作家として立って行った一冊だと言う。
あまりにも遠い昔に読んだ、「2.26」だが、衝撃を受けたことだけは覚えている。
今回、ドラマ「運命の人」から、この著作に興味をもったわけだが、
同時に澤地氏の反省をも知ることになった。
若き日の澤地氏の苦闘の歴史は、それだけでも物語になる。。
(こんな話を邦子さんとしたのだろうか?)
きちんと批判すべきところは批判し、わからないことは分からないと言う。
そんな当たり前の姿勢をはっきり見せてているところが
支持するか否かは別として、今の澤地氏の揺るがない基盤となっているのだろうか。 -
【55冊目】いつかちゃんと勉強したいと思っていた沖縄返還交渉密約事件。どんぴしゃなタイトルのノンフィクションがあったので読んでみました。前半は、横路議員を始めとする社会党議員が国会を舞台に日本政府とアメリカ政府間の密約を暴くシーンが描かれます。中盤から後半は、筆者が密約裁判を傍聴し、蓮見事務官と西山記者を追いかけていく様が描写されます。
報道のされ方の描写を通じて、密約事件当時の社会の雰囲気が伝わるというのは読んで良かった点。
それと、もう一つ。この事件については、法学部生だったころ、刑法の判例集に載っていたことから知りました。この事件が目を引いたのは、大新聞の記者が肉体関係を利用してネタを取ってくることが裁かれることに面白さを感じたという、いわば三流週刊誌をのぞく時の低俗な関心からでした。だけど、この本はその程度だった僕の関心に2つの注意喚起をしてくれました。一つには、政府が自国の領土を金で買戻し、しかもそれをひた隠しにして国民を騙したということが事の本質であるということ。もう一つには、ネタを取ってきたのが男性記者であることから、当事者について「か弱い女性像と精強な男性像を思い描いていた僕の妄想を吹き飛ばしてくれたこと。すなわち、肉体関係のことを持ち出すときって女性のことを被害者と思いがちだけど、実際には違うかもしれないってこと。
ただ、本としての総合評価はイマイチ。なぜなら、事件を客観的に批判しようとする姿勢を期待してこの本を買ったのに、後半は筆者の心象風景を前面に出し過ぎているような気がするから。蓮見事務官と自分の境遇の近似を語るシーンなんか、なんの興味も持てませんでした。
ですから、日本の政治史の中でこの事件を位置付けたいと考えている人にはオススメできません。 -
外務省機密漏えい事件について、外務省女性職員の態度に疑問を投げかけつつ、民主主義の在り方を解く。著者はその後、西山元記者とともに機密文書の開示を求めて提訴、一審で全面勝利した。事件はまだ終わっていない。