ゆたかな社会 決定版 (岩波現代文庫)

制作 : John Kenneth Galbraith  鈴木 哲太郎 
  • 岩波書店
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  • 本棚登録 :217
  • レビュー :12
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031374

作品紹介・あらすじ

「ゆたかさ」の増大と普及は何をもたらしたか。現代資本主義の特質を明らかにした古典的名著の最終改訂版である本書では、インフレ論について第四版を大幅に修正した。他方では、今回もマネタリズムの金融政策、環境問題、軍事支出などを批判的に考察し、政治的保守主義台頭の必然性を解明している。二〇〇六年に九七歳で逝去した著者の代表作である。

感想・レビュー・書評

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  • 最初の出版は1958年。本書では生産量を経済の中心とする現代の経済学のあり方そのものを19世紀的な価値観に縛られた通念であると批判し、現代の消費は過剰生産によって依存的に生み出されたものなのだと指摘する。普段僕らが感じるあれが欲しい、これが欲しいという欲望は決して自分自身から生まれたものではなく、広告によって刷り込まれたものだという構造は現代でも全く変わっていないと思う。後半で触れられる新しい階級に対しては楽観的に肯定しているが、今も全員が望んだ仕事に就けるわけではないことを考えると悲劇的でもある。

  • 戦後大復興を遂げた1950年代のアメリカ社会において、これまでの経済学の通説に真っ向から疑問を呈し、現代資本主義の在り方に異議を唱え衝撃を与えた経済学者ガルブレイスの古典的名著。

    生産性向上によるゆたかさを価値として追求された経済理論が直面したのは、現在における不平等、貧困、環境問題、格差社会という深刻な問題だった。

    まさに、これからの日本と世界を考えるうえで、秀逸。
    ガルブレイスの問題提起に対する答えをうやむやにしてはならないと感じた、時代のギャップを感じさせない古くて非常に新しい一冊。

  • ところどころいいところはあるがぴんとこないところもある。

  • [ 内容 ]
    「ゆたかさ」の増大と普及は何をもたらしたか。
    現代資本主義の特質を明らかにした古典的名著の最終改訂版である本書では、インフレ論について第四版を大幅に修正した。
    他方では、今回もマネタリズムの金融政策、環境問題、軍事支出などを批判的に考察し、政治的保守主義台頭の必然性を解明している。
    二〇〇六年に九七歳で逝去した著者の代表作である。

    [ 目次 ]
    ゆたかな社会
    通念というもの
    経済学と絶望の伝統
    不安な安心
    アメリカの思潮
    マルクス主義の暗影
    不平等
    経済的保障
    生産の優位
    消費需要の至上性
    依存効果
    生産における既得利益
    集金人の到来
    インフレーション
    貨幣的幻想
    生産と価格安定
    社会的バランスの理論
    投資のバランス
    転換
    生産と保障との分離
    バランスの回復
    貧困の地位
    労働、余暇、新しい階級
    安全保障と生存について

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 1958年に初版が、1969年に第二版が出ている。
    50年経過して、ガルブレイスの説が、現実のものになった。

    不平等、貧困の新しい地位が、アメリカの深刻な現実になった。
    ゆたかな社会の曲がり角が、2008年の特徴だろう。

    ガルブレイスを呼んでいた人たちが、判断を誤ったのはなぜだろう。
    理論を軽んじたのだろうか、歴史から学ばなかったのだろうか、
    現実に押されてしまったのだろうか。

  • 「暇と退屈の倫理学」に出てくる。かなり項を割かれていたように思う。

  • 6章の平等の章だけ。格差はそもそも悪いものなのか?最近はそんな論争も薄れつつあるとのこと。懐疑的な視点をカバーしている。

  • アメリカ経済を貫く考え方が垣間見える。

  • 需要を所与としそれを充足するための生産という前提は大昔に崩壊していて、ゆたかな社会においては、欲望を満足させる過程が同時に欲望をつくりだしている。その積極的な例が生産者による宣伝や販売術である。
    という内容の9-11章あたりが読みたくて読んだ。経済史的な章も多いのでその辺は飛ばしてもいいかと。

    たまにパワーフレーズが出て来るのが好き。
    11章
    「近代企業の戦術においては、ある製品の製造費よりもその需要をつくり出すための費用の方が重要である。このようなことはすべていい古されたことであって、どんな三流大学の経営学部のいちばん成績の悪い学生にとっても初歩的な知識である。」

    1章
    「自己を誤解したゆたかな世界にとっての諸問題(この本の分析の対象)は深刻で、ゆたかさ自体を脅かすことにもなりかねないが、貧困な世界(文脈的にアフリカやアジアの貧しい地域)にあっては、差し迫った貧困があるというだけのことからして、誤解などというぜいたくなことはある筈がないが、同時に何の解決策もある筈がないからである。」

  •  
    ── ガルブレイス/鈴木 哲太郎・訳《ゆたかな社会 決定版 1958 20061017 岩波現代文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4006031378
     
     Galbraith, John Kenneth 19081015 Canada America 20060429 97 /《豊かな社会》
     
    ── ガルブレイズ/都留 重人・訳《不確実性の時代 197802‥ TBSブリタニカ》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000J8R3WQ
    (大平 正芳との対談、Tad書簡、マクルーハン)≒ガルブレイス(20110601)
     
    (20160926)
     

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