生きることの質 (岩波現代文庫)

著者 : 日野原重明
  • 岩波書店 (2008年1月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031602

作品紹介

平均寿命では世界一を誇る日本だが、果たして人間らしく人生を全うできているだろうか。限りある命をより充実したものとするために、何をなすべきなのか。九十六歳のいまも現役内科医として活躍する医学界の先達が、現代医療の課題を説くとともに、老年の輝きと「有終の美」のために語った人生への応援歌。

生きることの質 (岩波現代文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 1980年代〜90年代の講演を中心にまとめた本であるが、日本の遅れた医療の現場を鋭く指摘しつつ、ホスピスの必要性や、末期患者の尊厳について問うた本であった。本書の中で日野原さんは、日本の病院で患者が死に行くさまは悲惨であるとしている。延命に延命をかさねて、チューブが身体中に刺さり、酸素マスクがされた状態では、残されたわずかな時間で家族と対話することもままならない、と。本書が書かれた時代から、だいぶたっている。ホスピスという存在も認知度が高まった。しかし、やはり終末に不自由なまま、自分の人生を総括することなく、病院の天井を見つめ亡くなる人はまだたくさんいる。日野原さんは「死は行動である」と言っている。死はアクションのひとつであり、ゴールなのだという。どうしても人間は壮年期に活動も自由度もピークを迎え、老年期にはただ死を待つのみと考えてしまいがちだが、ゴールという目標に、どのような人生を送って飛び込むかということを考えさせられる本であった。

  • 日野原さんは二度、生命の危機に瀕したことがあるそうだ。
    二度目はよど号ハイジャック事件に遭遇したこと。
    生還した時、残りの人生は人のために、と挨拶状に記したとある。
    キリスト教の教えに支えられた言葉であったのかもしれないが、やはり感銘深い言葉だと思う。
    親は子供に「お返し」を期待してはいけない、その子が人や社会のために何かできれば、それで十分と考えるべきだ、とも。
    なかなかできない考え方だが、尊いものだと思った。

    本書は1990年前後のエッセイを編んだものの由。
    日本の終末期医療の問題を憂う内容が多い。
    必要のない医療を施し、QOLを下げているというのがその概要だ。
    二十年経ったが…現状はどれほど変わっているのだろうか。

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