「女縁」を生きた女たち (岩波現代文庫)

制作 : 上野 千鶴子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 39
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031718

作品紹介・あらすじ

一九八〇年代、専業主婦たちは家庭を飛び出し、めざましい活動を展開していた-この実態調査に基づき、上野は女たちの将来を予測。はたしてそれは当たっていたのか?調査に関わった女性たちがその後の二〇年を記すとともに、「女縁」のこれまでとこれからを上野が執筆。

感想・レビュー・書評

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  • 第?部は1988年の再録、第?部にメイン活動者5名の20年後、第?部にまとめ。時間とおカネのゆとりが失われ、ネオリベ原理のもと人間関係資源能力が低下し、世代の産物に終わったが、女縁世代はその後高齢社会に向けての活動を行っている。

    教育と能力を得た女性たちの能力が、企業に取り込まれずに、社会をよりよくするために活かされたわけだ。

  • 1988年に刊行された『「女縁」が世の中を変える―脱専業主婦のネットワーキング』(日本経済新聞社)を、20年後に著者と当事者たちによる検証を加えて文庫化した本です。

    本書では、80年代に専業主婦たちの間で自生的に生じたネットワークの取材がおこなわれるとともに、そこに従来の血縁・地縁・社縁に収まらない可能性への期待が語られています。しかしその後、格差社会の到来によって、「女縁」になくてはならない時間的・経済的な余裕が失われ、その継承はうまくいかなかったと語られています。著者は、やはり80年代における「消費による革命」を論じた『「私」探しゲーム―欲望私民社会論』(ちくま学芸文庫)の内容についても、その後小沢雅子の『新・階層消費の時代』(朝日文庫)の議論を受けて放棄するに至っており、本書でもそれと平行的な著者の立場の変遷が確かめられます。

    その一方で、メンバーたちがともに年老いていく「女縁」は、それぞれの世代がそれぞれの時代状況に応じてもっとも適切なつながりを築くという「セルフ・ユアセルフ」の精神がむしろ当然だという指摘もあり、このような見方はその後の『おひとりさまの老後』(文春文庫)にも引き継がれています。そういう意味では、それぞれの世代の自己救済についての議論と、社会の制度設計についての議論をはっきりと区別し、両方の観点から議論を構成するという著者のスタンスは、今に至るまで変わっていないようにも思います。

  • 20年前のことでいちゃもんつけるのも、なんですが・・・。
    どうしてこんなに「はしゃぐ」のだろう・・と思った。
    20年後、後継者は「女子会」と呼ばれてますよ。子供連れで居酒屋へ・・・・。

  • 2008年の後日談がなければたぶん読まなかっただろうと思う。
    20年前の、バブル直前、高度成長マックスの日本で、生活の安定を約束された専業主婦たちが仕事のかわりに家庭の外でアンペイドワークをし、企業を中心とした社会からは見えないところで社会に出ているという話。

    女性が社会参加をする方法は、必ずしも企業に勤めたり働きに出たりすることだけではなくて、収益優先でない場所で立派に仕事をしている人たちもいるんだ、という点でとても新鮮に思った。

    が、残念ながら20年後の現在、すっかり状況は変わって、今じゃ「生活の安定を約束された専業主婦」という存在自体がかなり稀少になりつつある。
    社会的な活動をする気概のある人たちは、女縁的な活動をするより会社に勤めたり、いまやかなり気軽なものとなった起業をしたりしてそうだ。

    でも一方でITという便利なツールの普及でこうした活動の参入障壁はだいぶ下がっているだろうから、小さなコミュニティ単位では増えているのかな?気になります。

    あと、女縁のいいなあと思ったところは、高齢者になったとき、友人や趣味とともに寂しくない余生を送れそうな点。企業に勤めている女性や男性も定年退職後の人生のためにこうした活動をするといいと思った。

  • 個人的には女縁の相続の話が気になる。いまの女子大生、そしてその娘たちがどうなるか。

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