私にとっての20世紀: 付最後のメッセージ (岩波現代文庫 社会 180)
- 岩波書店 (2009年2月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006031800
作品紹介・あらすじ
二〇〇八年十二月に、惜しまれつつ八九年の生涯を閉じた著者は二〇世紀をいかにとらえていたのか。何を見つめ、何に希望を託して生き抜いたのか。本書は芸術、戦争、社会主義、ナショナリズム等の主題と自己の足跡を重ね合わせてこの世紀の意味を読み解いた書物であり、若い世代への期待を語った講演と生前最後のインタビュー(二〇〇八年八月)も収録した新編集版である。戦後を生きた知の巨人は旅路の果てに何を語り遺したのか、人間・加藤周一に関心を持つ読者にとって必読の書である。
感想・レビュー・書評
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「平和」への強い意志、また「平和」の意味を問いかける。それはとても単純なことだと改めて認識した。
以下引用。
「そもそも一人の男について、その性の善悪を問うよりは、多くの人間を悪魔にもし、善良にもする社会の全体、その歴史と構造について考えた方がよかろう」
「だから私は、戦争反対のほうが先にある。・・・「科学から倫理」ではなくて、「倫理から科学」でなければいけないと思う。」
「沈黙とは、現在進行していることの、少なくとも民主主義社会では容認です。」
「ナショナリズムはなくならない。・・・集団がアイデンティティを求めるようになる。・・・その背景はやはり歴史と文化でしょう。・・・それぞれの歴史文化的なアイデンティティを失わないで、ナショナリズムを大きな国際的組織の中へ組み込んでいくことが必要になるわけです。20世紀はそれに失敗した。だから戦争が起こった。」
「テロリズムは、歴史的文化的なアイデンティティの表現の道がふさがれたときの最後の絶望的な反応です。」
「たくさん苦しんでいるのだから一頭ぐらい助けてもしょうがないという考え方には、苦しんでいる牛全部を解放しなければならないということが前提にある。なぜ牛が苦しんでいるかへの答えにはなっていない。・・・やはり一頭の牛を助けることが先なのです。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分が生まれ、育ち、学び、働き、生活している日本を理解するために、欠かせない一冊なのではないか。現在の社会で起きていることの理解にもつながる。いま読むことができて良かった。
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知の巨人・加藤周一が、みずからの体験とともに20世紀という激動の時代を振り返り、未来への希望を語った本です。また文庫化に際して、現代の日本が直面している危機について述べている著者の講演やインタビューも収録されています。
著者は、古今東西の文学や芸術、思想に深い造詣を持ちながら、みずから「非専門家の専門」を標榜し、状況の中で思索する知識人を体現した存在です。本書は、著者が出演したテレビ番組をもとにしているため、そうした著者の姿勢がいっそう鮮明に現われているように思います。 -
[ 内容 ]
二〇〇八年十二月に、惜しまれつつ八九年の生涯を閉じた著者は二〇世紀をいかにとらえていたのか。
何を見つめ、何に希望を託して生き抜いたのか。
本書は芸術、戦争、社会主義、ナショナリズム等の主題と自己の足跡を重ね合わせてこの世紀の意味を読み解いた書物であり、若い世代への期待を語った講演と生前最後のインタビュー(二〇〇八年八月)も収録した新編集版である。
戦後を生きた知の巨人は旅路の果てに何を語り遺したのか、人間・加藤周一に関心を持つ読者にとって必読の書である。
[ 目次 ]
第1部 私にとっての二〇世紀(いま、ここにある危機;戦前・戦後その連続と断絶;社会主義冷戦のかなたへ;言葉・ナショナリズム)
第2部 加藤周一、最後のメッセージ(老人と学生の未来―戦争か平和か;加藤周一・一九六八年を語る―「言葉と戦車」ふたたび)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
1/22 日経新聞の書評欄に「ひとりでいいんです」が載った。知識人というものを感じたくて購入。
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県立 加藤周一はいい 以前は、いまいちと思っていたが、実際的 総合的な人だ 著作は多すぎるが
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購入。読了。