- Amazon.co.jp ・本 (607ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006031848
作品紹介・あらすじ
微罪容疑によって逮捕、接見禁止のまま五一二日間勾留された異能の外交官は、拘置所のカフカ的不条理の中で、いかなる思索を紡いでいたのか。哲学的・神学的問いを通して難題に取り組んだ獄中ノート六二冊。文庫版書き下ろしの新稿では小沢氏秘書問題を独自分析。また、独房の「所内生活の心得」を初公開する。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
のちに『国家の罠』に結実した「国策捜査」の実態。拘置所という空間で知的営為を組み立てていく執念。キリスト教神学論争と政治哲学の奇妙な類似など啓発される点は多い。現実には美食も酒もタバコも無く、テレビラジオ等の娯楽も厳しく時間制限され(なぜか外国語書籍の差入れも禁止)最大限に屋外運動でも運動不足で大抵のものは音を上げる…。同盟国であったアメリカから、日本人と自ら任ずる人々が住む沖縄を返還してもらうにさえ《密約》が必要であったのに、友好条約もないロシアと交渉するのがどれほど困難であったことか/作家で逆転に成功
-
二〇〇二年五月一四日―。佐藤優は、背任・偽計業務妨害という微罪容疑で逮捕され、五一二日間、東京拘置所に勾留された。接見禁止のカフカ的不条理のなか、外交官としての死を受け入れ、神との対話を続けながら世捨て人にならず、人を恨まず、嫉妬せず、裏切らず、責任転嫁をせず、転向もせず、人間としての尊厳を保ちながら、国家公務員として国益の最大化をはかるにはいかにすべきか?この難題に哲学的ともいうべき問いによって取り組んだ六二冊の獄中ノートの精華。狭い煉獄での日常に精神の自由を実感しながら、敵を愛する精神とユーモアを失わずに、人間についての思索を紡いだ日記と、新しい同僚や友人に国家再生の道を綴った書簡から成る。憂国の士が綴った国家への復命書にして、現代の日本が生んだ類まれな記録文学。
-
外交官×神学の境地とはこんな感じなのか…本人は大変だったろうが、これは読み物としてかなり面白かった。
-
佐藤勝の本を読むと「がつがつしたビジネスマン」気分で、刻苦精励し知的能力の向上に勤しみたくなる。受験生活を放棄しやがて奔放に近い一人暮らしを始めた高校三年生のころには、手にすら取らなかった参考書を、大人になってから数十冊くらい買った。特に歴史系。あと、読解技術や作文技術の向上を目的とした参考書など。
新宿紀伊国屋で、対談本にあたる『平成史』の刊行記念として、対談者と佐藤を招聘したトークショーがあった。これは参加したかった。結局いってないが。
『15の夏』は、冷静な宰相の頭に蓄えられた芳醇な青春のエキスがにおいたつような、良質の紀行文学として読んでみたい一冊。 -
獄中生活と入院生活は、少し似てると思った。ほんの少しだけど。
・いつ出るか自分で決められない
・食生活が普段より健康的
・読書くらいしかすること(できること)がない
-
拘置所内での思索は置いておいて、獄中生活は興味深かった。
-
哲学、神学系の話が大量に出てくるので、それらの意味については正直分からないが、興味はそそられる。
「山椒魚戦争」を今度買って読んでみたくなった。
この本は、将来、監獄送りになる可能性のある人は読んでおくと参考になるでしょう。
もっとも、著者の佐藤氏自身、監獄送りになるなどとは想像すらしていなかったわけだが。。 -
すでに3~4回読んでるがまた読んでみた。
内省するうえでのヒントになるものがたくさんある気がする。
著者プロフィール
佐藤優の作品






この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。





