人物ノンフィクション 孤高の戦い人 (3) (岩波現代文庫 社会 188)
- 岩波書店 (2009年8月18日発売)
本棚登録 : 24人
感想 : 3件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784006031886
みんなの感想まとめ
多様なスポーツ選手や指導者たちの人生と戦いの軌跡を描いた作品で、彼らが直面した困難や成功の背景に迫ります。松井秀喜や伊達公子といったアスリートの成長過程や、指導者たちの革新的なアプローチが具体的に紹介...
感想・レビュー・書評
-
ノンフィクションライターによる、スポーツ選手及び指導者達の戦いの軌跡。ⅠとⅡは読んだことはない。たまたま目に付いた本書を読んだ。
紹介されているのは松井秀喜、伊達公子らスポーツ選手から、仰木彬、北橋修二(競馬調教師)といった指導者など。数々の困難を克服して結果を出してきた人達だ。そして、苦労と成功の裏にあるその人となりにも触れている。
同い年であるからか、松井秀喜の話が特に印象に残る。本書では、以前読んだ別の松井伝ではあまり触れられていなかった実家の宗教のことにも頁を割いている。実家の宗教と野球に直接の関係は無さそうだが、松井の精神形成にはやはり無縁では無い。
指導者達の戦いぶりも読みごたえがあった。300頁弱で多くの人を凝縮して紹介しており、興味が湧いたらそれぞれ単独での人物伝を読んでみるのも良い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ノンフィクションの第一人者 後藤正治氏によるオムニバス。対象となっているのは松井秀喜氏(元巨人)、小川良樹氏(高校バレー部監督)、上田利治氏(元阪急)、伊達公子氏(元テニスプレーヤー)、仰木彬氏(元オリックス)、古賀稔彦氏・谷本歩美氏(柔道)などです。最も印象的だったのは、下北沢成徳高校監督の小川氏の章でした。
20年ほど前、小川氏が同高監督に就任した当時はバレーの指導は根性バレー一色と言って良い時代でした。小川氏もその流れを踏襲したのですが、選手の気持ちをつかめないまま試行錯誤の上に選手の自主性を重んじる指導法へ切り替えられます。それと時を同じくしてバレー強豪校としての実績を重ねてゆきます。大山加奈、荒木絵里香、木村沙織など全日本を支える選手も小川氏のもとから育っていきました。
スパルタ式ではなく、しかし緩いだけではない指導法。それを著者は「バレーに疲れ切ることはなかった。小川は”余白”を残して卒業生を送り出したのである。」と表現しています。厳しすぎてはスパルタになりがち、でも「緩く」に傾倒し過ぎては結果が伴わない、この矛盾する状況に絶妙のバランスを見出した小川氏と選手達との日々は読んでいて清々しい気持ちになります。
著者プロフィール
後藤正治の作品
