人物戦後政治 私の出会った政治家たち (岩波現代文庫 社会 194)

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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031947

作品紹介・あらすじ

一九六一年、朝日新聞政治部員として池田内閣の大平官房長官から取材して以来、名政治記者として知られる著者はどんな政治家を取材してきたか。池田勇人、川島正次郎、佐藤栄作、江田三郎、西尾末広、土井たか子。五五年体制下の有力政治家たちの活躍をかぶりつきで見た証言は、戦後政治史の実像を伝え、日本政治の今を問いかける。

感想・レビュー・書評

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  • 著者が記者出身ということもあり、ただ学者のように事実の羅列に終始しない面白さがあるし、朝日新聞の記者ということから、結構大物政治家に多数会っている。最初は池田勇人から、最近は保坂展人まで多数の政治家に会っている。

    自民党は保守本流と傍流で結構違うのだが、本流は外交、傍流は金権選挙への云々である。かつ彼は三木武夫にも会っており、彼の政治改革への執念を聞く。

    もうひとつは社会党であり、かれは「議会政党」であることと「社会主義の革命政党」であることの自己矛盾に悩んでいた。江田もがんばって江田ビジョンを貫こうとしたが、茶の間へからの支持と党員からの支持を得られず頓挫する。

    また民社党といえば、「自民党より右」といわれた党であるが、それは西尾末広の「名より実を取れ」という精神の発露であり、彼が純粋な労働運動出身であったが故である・・・。

    またそれとは別に、参議院には羽生三七や木村禧八郎のような政策通の議員がたくさんいた。羽生は外交通で木村は財政通である。いまはなかなかこういう議員はいない。
    羽生は東側諸国外遊で、きちんと勉強し、政策論争を行った。いまもこういう議員がほしい。

    ただ政治史の羅列だけではなく、こういう人物本位の政治の本も面白い。

  • 1961年、朝日新聞政治部員として池田内閣の大平官房長官から取材して以来、名政治記者として知られる著者はどんな政治家を取材してきたか。
    池田勇人、川島正次郎、佐藤栄作、江田三郎、西尾末広、土井たか子。
    55年体制下の有力政治家たちの活躍をかぶりつきで見た証言は、戦後政治史の実像を伝え、日本政治の今を問いかける。

    以前読んだ、三宅久之氏の著書と時代がかぶっている。三宅氏の著書は、床屋談義を聞いているかのような、楽しさがあったが、こちらは、いたって真面目?な本である。野党議員に対する記述が豊富であるが、私には、土井たか子しかわからなかった。

    小沢一郎がほとんど出てこない。
    若き日の菅直人が出てくる(共にゴールデン街の常連で、菅氏を個人的に支援したことがあるそうだ)。鳩山由紀夫も出てくる。鳩山の事は良く知らないとしつつも、インテリ的知性に富んだ雰囲気があるとしている。著者は、2004年に亡くなられたが、現在の民主党のていたらくをみたかどの様な感慨をいだいたであろうか。
    練達の新聞記者でも、真贋を見抜くことが出来ない。あるいは、総理の座に着くまで、適任かどうか解らないということか。

  • どちらかというと野党側にシンパシィがあるのは否定できないものの、高度成長期の政治家は左右どちらも一本芯が通った大人物がそろっていたのだとよくわかる。

  • 池田は官僚社会の中で味わった劣等感と、それにも関わらず結局首相まで上り詰めたという優越感の両コンプレックスが同居していた。
    ライオンは一匹のねずみを獲るのにも全力を挙げるということを痛感。

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