教育再定義への試み (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 71
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031992

作品紹介・あらすじ

人は生まれてから老いて死ぬまで、多くの人々と関わりながら自己教育をつづける。「いかに生きるか」という問いが、その営みをゆたかにする。いまこそ「教育」は、人々が人生の課題に立ち向かうときに支えとなるものとならねばならない-。自らの人生を真摯に振り返りつつ、教育が本来もつ深い意味を鮮やかに示す。

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の息子から、自殺をしても良いのか、と問われた著者は、自殺をしても良い場合があるとして2つの具体例を挙げて答えた。これは著者自身がさまざまな痛みを伴う人生の体験を通して探り得た自分だけの答えであり、決して学校教育で教えられる模範解答のようなものではない。私自身親として子供からこのような切実な問いかけをされたとき、ある種の覚悟を持って自分の言葉で答えることができるのか、しばし考えさせられてしまった。

  • ラジオの番組で紹介されていたので何となく読み始めてしまったのだけれど、示唆に富む、そして何度も反芻しないと自分のものにできない言葉がたくさんちりばめられている本だった。もう一度読み返したい部分に線を引きながら読むということを久しぶりにやった。

  • twitterでの高橋源ちゃんの紹介で重要なエピソードについては読んで、知ってたので、改めて読む楽しみはそれほどなかった。構成についての分かりにくさはあるけど、考え始めるヒントは沢山あるし、鶴見さんの語りの魅力は感じられた。

  • 著者の鶴見さんの半生を振り返りつつ、教育というものの真の意味にたどり着こうとする論考エッセイです。むずかしい言葉でがちがちになっていなくとも、ちゃんと物事の深みを表現して伝えることができるという良い見本のような文章でした。むずかしいことはむずかしいという部分はあるのですが、時間をかけて読むことできっとイメージはつかめるという感覚。巻末の芹沢俊介さんの解説を読むと、ああそうか、とそれまで読んできた言葉がすっと胸に入ってクリアになります。まず、痛みによる教育の試みだといいます。痛みは身体的なものも心的なものもどっちも。そうして、著者が自分で経験した痛みからくる教育を披歴していく。そこで読者は、著者の経験に自分の経験や記憶を照らし合わせて、自分の内に著者の考えを落としこんでいくことになる。

  • 第1章「教育とは何か」がたいへんいい。

  • 教育者養成にとってのたいせつなこと、子どもが好きだというのが、成績より前に来るのが当然、

    1,必要に応じた明晰、
    2,成長のゆとりをのこすあいまい、

     この二つの理想の共有、よむたびに胸をどきんとさせられるこの言葉たち。

     

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著者プロフィール

1922年東京生まれ。哲学者。15歳で渡米、ハーヴァード大学でプラグマティズムを学ぶ。アナキスト容疑で逮捕されたが、留置場で論文を書きあげ卒業。交換船で帰国、海外バタビア在勤部官府に軍属として勤務。戦後、渡辺慧、都留重人、丸山眞男、武谷三男、武田清子、鶴見和子と『思想の科学』を創刊。アメリカ哲学の紹介や大衆文化研究などのサークル活動を行う。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭をとる。60年安保改定に反対、市民グループ「声なき声の会」をつくる。六五年、ベ平連に参加。アメリカの脱走兵を支援する運動に加わる。70年、警官隊導入に反対して同志社大学教授を辞任。著書に『鶴見俊輔集』(全17巻、筑摩書房)『鶴見俊輔座談』(全10巻、晶文社)『鶴見俊輔書評集成』(全3巻、みすず書房)『戦後日本の大衆文化史』『戦後日本の精神史』(岩波書店)『アメノウズメ伝』(平凡社)ほか。

「2015年 『昭和を語る 鶴見俊輔座談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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