- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006032005
作品紹介・あらすじ
ベルリンの壁の崩壊前後に「朝日ジャーナル」誌でおこなわれた二回の対談。戦後論壇の重要テーマや現代の論点を自由にそして熱く語り合う本書は、久野・鶴見『現代日本の思想』と久野・鶴見・藤田省三『戦後日本の思想』の続編的性格をもつと同時に、この二人の思想家への平易な入門書ともなっている。
感想・レビュー・書評
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アカデミシャンが得意とする、快刀乱麻の論理の切れ味で森羅万象をたたっ斬りなんでもかんでもチャート化してしまう論述の「真裏」「対極」の会話が展開されていると感じた。つまりあえて(深い思索をくぐり抜けた上で)「庶民になじむ」言葉を選び、論理と同時に鍛え抜かれた直感と人間性を信頼してそこから思考を立ち上げる。ぼく自身、彼らのすべてに賛同するつもりはない。だが、大筋で彼らはこの日本の独特の言論の風土を見据えて大事なことを的確に・平明に語っていると受け取る。「芯の強さ」と「すぐ目先の文化に反応する感受性」が両立する
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思索
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中国の李鵬首相とはっきりと良心を偽らずに堂々と握手できるのは、日本では中曽根でしょう。中曽根さんが恥ずかしがらずに握手できる首相を共産主義国家、中国が生んだというのは、竹内好さんが生きていたら憤死するかもしれない。
ヨーロッパだと人種は違うんだけど言語が一緒なものですから、2500年前のギリシャ、そのあとローマ、ずっと同じ言葉がつながっている。
日本でインテリをつくっているのは小学校の教育であって、大学は関係ないんです。
哲学上の問題でいうと、経験命題というのをイギリスはものすごく大切に考える。