私の読書遍歴 猿飛佐助からハイデガーへ (岩波現代文庫 社会203)
- 岩波書店 (2010年6月16日発売)
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感想 : 4件
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784006032036
みんなの感想まとめ
本を通じて自己を深く探求する旅が描かれており、著者の豊かな読書遍歴が魅力的に紹介されています。著者は、人生の様々な局面で本がどのように寄り添ってきたのかを語り、読書が感情や思考を豊かにする手段であるこ...
感想・レビュー・書評
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とても面白い。
「本を読まなかった日なんて数えることができるくらいだ」という著者の実に膨大で有益な読書遍歴。そこから見える本や言葉への深いまなざし。本は単体で存在しているのではなく、その時に、その人の前に、「現れる」ものなんだな。そう実感する。
例えば次のような著者の文章。
『本には旬があって、ドストエフスキーや太宰治などは、二〇歳前後が旬だと思う。漱石などは、若いときにはむしろその味が分からず、四〇代にでもなってはじめて分かってくるということがありそうだ。鷗外の史伝物などにいたっては、六〇代にでもなってはじめて味読できるといったものではないかと思う』
著者は、詩も、ものすごく読んでいる。
『詩なんか読んで、いったいなにになるんだとおっしゃる方も多いと思う。たしかに、なんにもなりはしない。しかし、こういうことは言えるのではなかろうか。私たちは、日ごろひどく振幅のせまい感情生活を送っているものである。喜びであれ悲しみであれ、よくよく浅いところでしか感じていないのだ。ところが、われわれは詩歌を読み、味わい、感動することによって、喜びや悲しみをもっと感じることができるようになる。ものごとを深く感じるためには、それなりの訓練が必要なのである』
世界や自分自身を認識するには、ことばが必要だ。ことばを豊かにすることは、世界を、感情を、豊かにすることだ。
ベルクソン、ボードレールの「笑い」論やキルケゴール、ドストエフスキーなどに話題が及ぶ。実に楽しい読書遍歴!必読。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
海軍兵学校から身一つで焼け野原の東京へ。テキ屋、闇屋と渡り歩いて農林学校から哲学者へ。人生行路のみちづれはいつだって本たちだった。坂口安吾「勉強記」、谷譲次「テキサス無宿」、ドストエフスキー「悪霊」、南洋一郎の冒険小説、大切なことはすべて小林英雄から教わった。洒脱な語り口。引用の絶妙。この著者の手にかかるとどの本もたまらなく読みたくなる不思議。
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これ読んだら、今月の『私の履歴書』読まなくていいじゃんか!
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木田元の作品
