ぼくらはガリレオ (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 37
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032098

作品紹介・あらすじ

なぜ物は落ちるのか。4人の中学生と先生が「アリストテレスはまちがっている」と言ったガリレオの思考をなぞりながら、物が落ちるほんとうの理由を導きだす。本書は、こんな場合はどうだろう、こう考えたらどうなるか、など仮説を立てながら自分たちで実験し確かめていくという「仮説実験授業」の基本書。待望の文庫版である。

感想・レビュー・書評

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  • 数式をほとんど使わずに、浮力や落下運動、振り子の運動についての説明がなされている。教科書にある結果のみを伝えるのでなく、アルキメデスやガリレオがどのような取り組みの中で物の動きやその性質を見つけ出してきたのかが語られる。ちょっとかしこめの中学生たちが、いろいろ議論する中で、ガリレオが通った道を再現されている。ガリレオもこういう間違いをおかしていたのかとあらためて気付かされる。こういうエピソードや発問を授業の中に盛り込んでいけば、子どもたちの興味がわき、理解が深まることと思う。ところで私が最初に読んだ著者の本「科学の学び方・教え方」(太郎次郎社)が絶版になっているようで非常に残念です。理科を指導するに当たって、最初に読んでほしい本なのですが。

  • 人間が人間になるためには、その個体発生において系統発生(歴史)を再生することが求められており、教育はその歴史の加速された再現を助けるものだと考える。仮説実験の手法で「浮力の法則」「落下の法則」を丹念にたどる本書は、単に科学史としてのアルキメデス・ガリレオの紹介に留まらず、認識・科学の方法がどこから来てどこへ行こうとしているのかという風・ベクトルを感じさせてくれる。物理を教えることが公式とその演習の詰め込みに出している昨今、学校での科学教育にはこのような授業が中心であってほしい。中学生の必読図書としたい。

  • 物が落ちるのは日常。それを「何故」と立ち止まることが必要なんでしょうね。これは科学の授業ですが、色々な示唆を受けます。
    論旨外ですが「ガリレイとガリレオ家を意味する」というはおもしろかった。

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著者プロフィール

1930年 東京の下町(現・台東区東上野)に生まれる。
1951年 学生時代に自然弁証法研究会を組織。機関誌『科学と方法』を創刊。
1958年 物理学の歴史の研究によって理学博士となる。
1959年 国立教育研究所(現・国立教育政策研究所)に勤務。
1963年 仮説実験授業を提唱。仮説実験授業研究会代表(〜2018)。
1973年 月刊『ひと』(太郎次郎社)を遠山啓らと創刊。
1983年 月刊『たのしい授業』(仮説社)を創刊。2018年まで編集代表。
1995年 国立教育研究所を定年退職(名誉所員)。私立板倉研究室を設立。サイエンスシアター運動を提唱・実施。その後「科学の碑』の建設なども。
2013〜16年度 科学史学会会長。
2018年 2月7日 逝去。
著書 科学史・教育史の専門書の他,仮説実験授業を中心とする科学教育・社会の科学,特に歴史教育,科学啓蒙書,科学読み物,絵本など,広い範囲にわたって多数。たとえば,『原子論の歴史』『模倣の時代』『増補 日本理科教育史』『仮説実験授業』『未来の科学教育』『科学的とはどういうことか』『歴史の見方考え方』『もしも原子がみえたなら(絵本)』(以上,仮説社),『日本史再発見』(朝日新聞),『ぼくらはガリレオ』(岩波書店)等々。

「2018年 『板倉聖宣の考え方 授業・科学・人生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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