フェミニズムの時代を生きて (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032319

作品紹介・あらすじ

日本におけるフェミニズム運動のパイオニア世代の三人が、個人史の軌跡を時代の中に位置づけて語る。草創期の女性史・女性学の熱気、学生運動や「慰安婦」問題との関わり、異性愛者としての立ち位置、そして老いつつある自らの経験と死について。後に続く世代に残す、貴重な歴史的証言。

感想・レビュー・書評

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  • フェミニズム、ジェンダー、女性学分野で活躍してきた3人による3編の鼎談「女が老いる、ということ」「フェミニズムの時代を生きて」「フェミニズムの行方」を収録。
    女3人寄ればかしましいなどと言われる。かしましいというのは、ムダ話、愚にもつかないような話でうるさいっていうような意味合いを含んでいるのだろうけど、この本はもちろん、そんなことはない。
    実は対談もの、鼎談ものって中身は大したことないものも多いと思っていて、それでも対談・鼎談ものが出版されるのって、時間がないとか、書くのが面倒くさいとか、分量かせげるからとか、何となく臨場感が出るからとかって程度かなと思っている。でも、これは秀逸な鼎談本。最初は上記のようなことを思って、期待せずに読み始めたんだけど、おもしろい、おもしろい。これは文章では書かないだろうなというようなことにも話が及んでいて、会話のなかだからこそ生まれた内容だと思えるものもある。それぞれの生い立ちとか、バックボーン的なもの、数々の挫折や忸怩たる思いの積み重ねとか。
    電車内の車掌さんのアナウンスを聞くたび思うんだけど、女性車掌さんのほうが声がクリアだし、舌の回りも頭の回りもいいらしく、よどみなくスムーズな言葉が聞かれる(そんなもんだと思っていたいわゆる車掌調のアナウンスが無意味だったことを思い知らされもする)。やっぱり女性のほうが言語感覚に優れているのだろうなと思わされるわけで、そういう女性たちが、かしましくならずに会話をしたとき、そこでなされる話がおもしろいのは当然だ。

  • 上野先生は相変わらず「隙のない発言」
    今回、西川先生のファンにもなった。どの方ももう高齢に差し掛かっておられて風格もある。それにもかかわらず、友人とはいえ、容赦ない指摘や議論には敬意を払いたい。
    戦われてきた時代を垣間見たのですが、現代の若い女性はますます後退しているのが気になります。

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著者プロフィール

帝塚山学院大学助教授、中部大学教授、京都文教大学教授を経て、現在は京都文教大学客員研究員
研究分野:フランスと日本近・現代文学研究、女性史、ジェンダー史
主な著作:『古都の占領―生活史からみる京都 1945-1952』(平凡社、2017年)、『日記をつづるということ―国民教育装置とその逸脱』(吉川弘文館、2009年)、『借家と持ち家の文学史―「私」のうつわの物語』(三省堂、1998年)など

「2018年 『京大生・小野君の占領期獄中日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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