龍のかぎ爪 康生 (上) (岩波現代文庫 社会 235)

  • 岩波書店 (2011年12月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784006032357

感想・レビュー・書評

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  • 両巻読み終えたのでまずは上巻から。
    上巻は康生誕生から中華人民共和国成立まで。
    文章としては読みやすく翻訳されていて、本文に登場する無名に近い人物に関しても本文内でどんな人物か簡潔に説明されているため困ることはない。(下巻でも人物注解でまとめられている。)
    さて、上巻で個人的に最も面白いと感じたのは上海で国民党の警察に追われ、理想郷であるモスクワへ逃げる第五章だった。
    モスクワに逃げた当初、スターリンによる大粛清の最中であり、モスクワに同じく逃げて来た中国共産党員たちを王明というスターリン信者と一緒にトロツキストとして康生は次々と摘発し粛清していく。そのやり方は大粛清の最中スターリンから学んだ方式だった…

  •  康生を通して中国共産党の黎明期を知る。
     広大な土地と人口の中国で権力を把握していく処世術の数々。
     国際的にも認知されていた国民党政権を破ったのは、中国人そのものが既存の組織を一層したかったのか?
     康生が時勢を読み、主流派を予見し、論述を展開し、自分の足元を固める手法は分かったが、国を変革させていく個人的な情熱はまるで伝わってこない。
     共産党支配下で、中国の知識人のその後70年を暗示するかのような「整風運動」の舵取りが康生であったこと、この事一つとりあげても、多大な負の遺産を作り上げた人物に思う。

  • とりあえず「上」を読みました。翻訳者がこんな感じなのか、著者の思い入れがあるのか・・・・。
    康生を告発しようとする意図がわからないでもないのですが。
    要するに、全体を通して「悪意に満ちた」表現が多すぎる。
    中国の歴史から持ち出して、その風習に習って滑稽な悪さをしているかの表現もある。
    根拠のない噂もちりばめて、あたかも煙の無いところに・・・とでも言わんばかり。
    もう少し冷静な書き方というものもあるだろうに・・・・。
    頑張って、「下」も読んでみよう。

  • 目 次

    謝辞

    日本語版への序文

    地図(中華人民共和国全図/康生の上海)


    序 章 見えざる手

    第一部 二つの世界に囚われて

    第1章 孔子の地に生まれて
    第2章 革命の港――上海
    第3章 危険な生活
    第4章 秘密警察
    第5章 モスクワ――サディストへの最終訓練

    第二部 ならず者たちの陣営

    第6章 毛沢東への鞍替え
    第7章 蛇の貴族
    第8章 恐怖を作る
    第9章 権勢のかげり


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