創造都市への挑戦 産業と文化の息づく街へ (岩波現代文庫 社会 242)
- 岩波書店 (2012年5月16日発売)
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感想 : 3件
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784006032425
みんなの感想まとめ
都市の活性化をテーマにした本書は、住民の主体性や職人的なものづくりを通じて、内発的な自治を実現する道を探ります。ニューヨークや東京などの世界都市の発展とともに、地方や競争に弱い都市の衰退が進む現状を背...
感想・レビュー・書評
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職人的なものづくりや、住民の主体性を発揮する文化活動が、都市の内発的な自治を実現するという内容。
ニューヨークや東京に代表される世界都市は、金融・法律などの専門職やクリエイティブ職、マスコミが集積することで経済・文化が発展する。
しかし、世界都市とそうでない都市・地方で二極化が進み、競争に弱い都市・地方は衰退する。いわゆるマクドナルド化や文化帝国主義。
世界都市のなかでさえ、大企業と中小企業、専門職と単純労働者の間で格差が生じる。メガロポリス(巨大都市)からティラノポリス(専制都市)、挙句の果てにはネクロポリス(死の都市)に表される「都市の輪廻説」が示す通り、トップダウン方式では都市はいずれ生気のないものになるのかもしれない。
都市が生きているかどうかは創造を通じた革新を繰り返していけるかどうかにかかっている。中小企業間の水平的で協力的なネットワークをつくり、生活に根づいた文化を保持し発信していくことが創造を生み出し、また新たな創造へと連鎖していく。
クローバル化による画一化において、自分たちの歴史や環境に根づいた産業や文化こそが、住民に自分たちの住むところのアイデンティティを自覚させ、外に住む人からの注目も集めるきっかけとなる。
創造都市の事例として、ボローニャから金沢市まで、いろいろ載っている。
ただ、どの事例も成功事例ばかり。
失敗事例もあったほうが参考になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
都市をつくるという視点から書かれた本。都市工学系だった印象が強い。日本とイタリアの事例が出てくる。産業を発達させて、都市を元気にさせる理論はわからなくもない。
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10年前に刊行されているので、現在はどうなのだろう。
この手の「実況報告」は常に新しい事実と照らし合わせていかないと、正論かどうかわからない。
確かに、魅力的でもあり、成功した街もあるのかもしれない。
しかし、実例はほんの例外的な数でしかなく、無数にある市町村に同じような真似はできない。
行政の貧困あり、首長の愚鈍さありで、そんなたやすいものではない。
市民の協力も簡単に得られるものではない。
空想論でないことは認めるが、理想論であり、非現実的であることも否めない。
著者プロフィール
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