- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006032449
作品紹介・あらすじ
生涯をかけて原発問題に取り組み、最期は原子力時代の末期症状による大事故の危険と、放射性廃棄物がたれ流しになっていく恐れを危惧しつつ二〇〇〇年にガンで逝去した市民科学者・高木仁三郎。3・11を経てその生き方と思想と業績にますます注目が集まっている。厖大な著作のなかから若い人に読み継がれてほしい二十二篇を精選した文庫オリジナル編集版。
感想・レビュー・書評
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福島医大蔵書検索/震災関連コーナーにあります
http://www-lib.fmu.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&annex=all&isbn=9784006032449詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原発危険論の先達
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市民科学者、高木仁三郎さんの生前の発表内容の選。
自身ががんを患い、楽観的に考えながらも確実に死に近づいていく、という現実を綴りながら、原子力を中心とした科学の考え方を説いています。
ご本人の死後の、また福島第一原発事故の後の編であることから、どうしても本人のメッセージ以上のものを後ろに想いながら読まざるをえないものの、それでもやはり、書かれていることは、2011年以降を生きる僕らは受け止めておかないといけないことだと、僕は「しみじみ」と思うのでした。
一方、「しみじみ」と暮らせなかったという高木さんは「いま大事なのは、知識よりも関心なのです。」と言っています。知識太りしてしまった僕、僕らは、その関心を何に向けたらいいのか。
「関心」のその先が恐らく問われて、座して読書をするばかりの僕などは、なんとも罪悪感につつまれながらも、お勧めしたい本なのです。 -
東北大震災と福島原発事故を知らずして亡くなられている。
にもかかわらず、まるで福島原発事故を知り尽くしているかのような文脈が怖いほど・・・。
良識さえあれば、防げたかもしれない事故であったのでしょう。
いまさら出はありますが、どうして著者の発言に国全体が真摯に耳を傾けなかったのでしょうか。
今こそ、おろかな繰り返しを避けるために、著者の警告に従うべきでしょう。 -
内容詳細
生涯をかけて原発問題に取り組み、最期は原子力時代の末期症状による大事故の危険と、放射性廃棄物がたれ流しになっていく恐れを危惧しつつ二〇〇〇年にガンで逝去した市民科学者・高木仁三郎。3・11を経てその生き方と思想と業績にますます注目が集まっている。厖大な著作のなかから若い人に読み継がれてほしい二十二篇を精選した文庫オリジナル編集版。
目次 : 序 私の生きてきた道(敗戦で知った思想のもろさ/ 私の生きてきた道、いま伝えたいこと/ 死をみつめながら―わが闘病記)/ 1 原発事故と安全神話(チェルノブイリ原発事故の波紋/ チェルノブイリ事故、汚染値なお新記録も/ 核エネルギーの解放と制御/ 核施設と非常事態―地震対策の検証を中心に/ 安全神話の崩壊と「もんじゅ」事故/ 東海村臨界事故とはどのような事故か/ これでは事故はまた起きる―JCO事故最期報告書批判)/ 2 プルトニウムと市民のはざまで(焦点化してきたプルトニウム問題/ 一九九七年ライト・ライブリフッド賞受賞スピーチ―一九九七年一二月八日、ストックホルム、スウェーデン議会にて/ プルトニウム軽水炉利用の中止を提言する―プルサーマルに関する評価報告)/ 3 市民科学者として(科学とのつき合い方/ はびこる“原子力文化”/ 巨大事故と文明の選択/ 市民の不安を共有する/ 賢治と科学)/ 4 科学と自然を考える(現代科学の超克をめざして―新しく科学を学ぶ諸君へ/ エコロジーの考え方/ エネルギーとエコロジー/ 核の社会学)
【著者紹介】
高木仁三郎 : 1938‐2000年。1961年東京大学理学部卒。日本原子力事業、東京大学原子核研究所、東京都立大学などを経て、75年に原子力資料情報室の設立に参加
佐高信 : 1945年生。慶應義塾大学法学部卒。経済評論家
中里英章 : 1950年生。東京都立大学理学部中退。85年に高木が敬愛する宮沢賢治の詩から命名した七つ森書館を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
3.11以後、改めてその業績と生き方にスポットライトが当てられた市民科学者の精選集。
フクシマの事故は著者によって予言されていたともいえる。
著者は、在野の科学者として”原子力(げんしりょく)ムラ”の科学者に厳しい批判の目を向け、日本の核開発と原発の行く末に警告を発し続けてきた。東京工業大学助教授のポストを捨てて在野の研究所「原子力資料情報室」を運営、全国の市民に原子力の情報を発信し続けてきた。もうひとつのノーペル賞といわれる『ライト・ライブリフッド賞』も受賞した。
若い人たちに読み告がれて欲しい22編を採録。