営業をマネジメントする (岩波現代文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032494

作品紹介・あらすじ

かつて営業の仕事は、個人の努力と個性に依存してきた。そのノウハウは継承がむずかしく、一人一人が独自に築くものだった。しかし、商品知識が豊富な顧客が多様なニーズをもち、競争も激しくなった現在、属人営業は適さなくなっている。顧客のニーズに対応するには、営業のプロセスごとに役割を分担して専門性を高めていかねばならない。働く各人が自分の得意な営業プロセスで力を発揮すれば、営業はもっと魅力的な仕事になる。

感想・レビュー・書評

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  • 属人的営業から組織的営業へ。売上成果を個人に求めるのか?営業組織に求めるのか?プロ野球を例にした説明は分かりやすい。

    プロ野球では、分業体制が確立している。個人のパフォーマンスがよいからといって、必ずしもチームのパフォーマンスがよいとは限らない。必要なのは、個人成績のアップよりも、チームとして優勝することのはずである。また、監督と選手の関係も、単に上下関係、命令系統という関係ではない。選手のやる気を尊重し、選手の能力を最大限活かすことが監督には求められている。

    分業のあり方、活かし方が、プロ野球の監督、営業組織のマネジャーも同じではないだろうか?

    <目次>
    はじめに
    第一章 営業という仕事の意味を探る
    第二章 営業の誇りの影にあるジレンマを探る
    第三章 属人の営業と組織の営業の違いを見る
        営業活動についての六つの質問
     1 住宅メーカーの営業の仕組み
     2 組織営業のメリット
    第四章 営業の好機をとらえる
     1 営業の問題を深く考える
     2 営業のプロセス・マネジメント
    第五章 変化を予期して備える
     1 お客さんとの関係を把握するマップ
     2 営業の役目(ミッション)
     3 組織営業のまとめ
    第六章 営業プロセス・マネジメントの広がりを知る
     1 食品メーカーの営業プロセス・マネジメント
     2 IBMの営業プロセス・マネジメント
    第七章 お客さんとの関係をマネジメントする
     1 プロ野球におけるプロセス・マネジメント
     2 営業プロセスのマネジメント
     3 営業を意味のある仕事にする
    第八章 マネジメントを深く考える
     1 ピーター・ドラッカーのマネジメント論
     2 マネジメントの志向と目的
     3 組織目的に沿って、生き生きと生産的に働く
     4 秩序への志向
    あとがき

    <メモ>
    避けなければならないことは、営業マンにマニュアルを与えて、下手な人を上手にしようとすることです。(142)
    マニュアルが必要なのは、むしろ監督・マネジャーの方です。(143)
    共通の物差しを使わないと、プロセス・マネジメントはできません。(172)
    アメリカの教科書流に言うと、営業は、マーケティング・マネジメントの中に含まれます。しかし、日本のビジネスでは、営業が主流で、マーケティングとは調査とか企画とか、営業の添え物のような気配が濃厚です(194)。

    営業革新の類型
     現場独創性の高さ/業務標準化の高さ
     高い&高い → プロセスマネジメント
     高い&低い → 属人的情報機器装備型
     低い&高い → マニュアル・スキルアップ型
     低い&低い → 従来のやり方の継続(OJT)


    2012.12.16 借りる
    2012.12.26 読了。

  • 場当たり的な営業にオススメな気がする。

  • 昔の人間ですから、営業・・・と聞くだけで、三下か幇間のように思われて、自分の人生の職業選択だけでなく、自分の子供の職業としても蔑むような気持ちになっていた。
    営業のたいへんさは知っている。
    仕事を取って来い・・・・・というのはつらい。
    大して、プロセス・マネジメントという組織営業という理念は新しくもあり、正当な気もする。
    商品が売れないのは、必ずしも営業力のなさではないはずなのに、商品そのものに魅力もなかっただろうに、営業の責任にされてきたところがある。
    新しい、よりよいマネジメントが賢い会社には望まれる。

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著者プロフィール

流通科学大学特別教授、神戸大学名誉教授

「2017年 『中内功 理想に燃えた流通革命の先導者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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